@ゲー単走部

ローグライク雑記。変愚蛮怒、DCSSなど。

DCSS 徒手格闘 in 0.17

通常RPGでは、敵と殴りあうには武器を持つのが普通ですが、あえて武器を持たずに殴る、いわゆる徒手格闘という選択があります。

ただ、徒手格闘の専用の訓練を受けていない職が素手で戦っても、武器を持たないだけ純粋に攻撃力は弱いです。徒手格闘専用の職でどうぞってことですね。

たとえば、DQやFFでも、通常の戦士という職は素手で戦っても攻撃力はほとんど出ません。それに対し、武闘家やモンクという徒手格闘専用の職が用意されていて、そいつらは素手ないし限定された装備(爪など)で戦うことになっています。

レベルが高くなってくると、通常の戦士より火力が高くなる、というのが通常のRPGでの定番の設定ですね。

例えばDQ3の武闘家なら、高Lvでは会心の一撃が出る確率が非常に高く設定されている。
DQ4のアリーナなら、キラーピアスという2回攻撃が可能な装備もあって、運がよければ会心を連発したりできる。
FF3でも、熟練度最高なら、モンクや空手家の一撃はものすごいダメージになるらしい。

DQやFFから離れて、変愚(久しくプレイしてませんが)を見ても、修行僧の極まった一撃はすごく強い。

騎兵の対邪へヴィ・ランスや高ダイス理邪武器などの武器と比較してどちらがダメージが高いのかは知りませんが、朦朧耐性すら貫通する強制朦朧つき打撃がただのインチキなのは言うまでもないでしょう。

要するに、極まったらものすごく強く設定されているのが大抵のRPG徒手格闘なんです。

その代わりといってはなんですが、ペナルティとして、モンクや武闘家といった職は、装備制限が厳しく、防御力の確保が難しい場合が多いです。

たとえば変愚の修行僧なら、装備制限のせいで中盤は結構耐性パズルに苦しむことも多い。
FF3のモンクは、物理・魔法ともに紙装甲。ぶっちゃけただの地雷職です。
DQ3の武闘家については、成長すれば戦士より強いといっていいです(ただし、女に限る)。素早さが守備力に関係するシステム上、素早さが高い武闘家は防御力も比較的確保できます。ただ、終盤に光のドレスを手に入れるまでは、ブレス攻撃への耐性はスカスカです(魔法への耐性はマジカルスカートでいいのですが)。ただ、低レベル進行が当たり前のRTAではまず使われることはありません(低レベル・最速攻略狙いでは、低レベルでもHPを確保でき、装備も簡単に手に入る戦士の方が強い)。

さて本題、DCSSの徒手格闘について説明していきたいと思います。
「極まったら強い、ただし装備制限による紙装甲は覚悟しよう」というのが上で説明したRPGでの徒手格闘でした。

DCSSでも徒手格闘は極まったら強いのは同じなのですが、その他が微妙に違います。

DCSSの徒手格闘を簡単に説明すると、次の3点に凝縮されると思います。

・「変異術を使うと極めなくても強い、極めたら火力最強、ただし一部の変異術は脆いのに注意しよう」 「一部の変異術は攻防一体で事実上の最強スペルなので弱体修正が必要」
・「変異術を使わなくても極まったら強い、ただし極めるまでは火力が雑魚なのは覚悟しよう、極めても他に強い武器があるのも覚悟しよう」
・「一部の種族は素手火力にボーナスあり」

(1) 変異術を使う場合

DCSSはクラス制でなく、スキル制のゲームであることは、これまでに何度も説明してきた通りです。
普通のRPGみたいに、戦士と武闘家で、素手の火力が全然違う、なんてことはありません(ただ、一部の種族に火力補正があるのは確か) 。

変異術さえ使えば、誰だってインチキな火力を出せます。普通に武器を振り回すビルドで序盤を抜けながら、変異術を見つけたら、素手にコンバートなんてこともできます(実際やったことがあります)。

変異術が見つかるのか、という問題はあるのですが、攻防一体で事実上の最強スペルであるStatue Formは複数の本に収録されていることもあり、かなりの高確率で入手できます。

Statue Form、正直弱体修正不可避だと思うんですが、最近むしろEV-10のペナがなくなって強化されているという……。開発が何を考えているのかさっぱりわからないです。

あと、火力は高いけれども脆くなる変異術はDragon Formです(火力最強)。ぶっちゃけStatue Formで十分強すぎるので、使い道はほとんどないです。

(2) 変異術を使わない場合
変異術を使わなくても、素手27は強いんですが、その過程が大変過ぎます。ぶっちゃけ割に合わない
というのは、スキルが低いうちは素手はかなり弱い。スキルがそこそこ乗ってきたらそこそこ強いけれども、他の修正値つきの良エゴ武器に負ける、という事情があります。なので、変異術を使わずに素手一本で勝ち切るのは結構大変。

じゃあ変異術使えばいいやんって話ですが、変異術師という開始職は正直言って序盤凄く弱い
正直、変異術師でスタートして素手一本で戦うより、普通に武器を振り回しながらStatue Formの降臨を待つ方が安定するでしょう(スキルは無駄になりますが)。

さて、序盤中盤の素手が弱いという話は一旦おいておき、素手27がどう強いのかを説明します。

素手スキル27で、盾をはずしてオフハンドパンチ(追加攻撃の一種)を機能させると、氷結/火炎トリソより強い火力が出せます。
盾をもってオフハンドパンチをなくしても、分断トリソ程度の火力が出せます

これが素手の強みなのですね。
スキルカンストすると最上級の両手武器より強いぜ、という点だけだとインパクトが薄いように思われますが、
盾を持ちながら最上級の両手武器に匹敵する火力を出せるんだぜ、と言うと、攻防一体ですごく強いように聞こえます。

ただし、注意しなければいけないのは、今"最上級"と説明した武器で想定しているエゴは、殺戮エゴ(与ダメ1.167倍)やら火炎/氷結エゴ(与ダメ1.25倍)といった標準的なエゴだという点です。

"最上級武器"のエゴを早業(攻撃速度1.5倍)や神罰(与ダメ1.75倍)に変更すると、今言った"素手の強み"とやらは一瞬で崩れ去ります。

盾なしでオフハンドパンチを機能させ、火力を最高にした素手でも、盾あり++9 scourge/eveningstar(holy)と火力はほぼ同じ(Fighting20, Str20, Dex20でHell Sentinelを相手にfsim)という事実を見ると、素手が哀れになってきます。

如何に神罰や殺戮修正値が重いか、よくわかる結果です。

ただ、逆に言えば、これは神罰が強いというだけのお話なので、神罰を持てない種族(血族やグールなど)で殴り火力を最大化したければ、(変異術なしでも)素手を選ぶのは十分に理に適っています。
もちろん早業トリソの方が火力はあるんですが、早業の入手なんて神罰以上に現実的じゃないですからね。

(3) 素手火力のバランスを変える爪変異
素手一本で勝ちたいけど、変異術を使わない素手は序盤中盤弱い、終盤も微妙、変異術を使おうとしても、変異術師は序盤弱い。さてどうしよう。
そんな貴方に救世主が! そう、我らがトロル君です!

トロルは何とclaw3がついてるんです。爪の3ランク。ベースダメージが+6されるので序盤から恐ろしく強い。
爪が生えていない普通の種族だと、素手を極めて盾を持っても分断トリソ程度の火力しか出せませんが、トロルなら盾を持っても殺戮釘バット程度の火力は出せますよ!
流石トロルだぜ!! (中盤紙装甲で簡単に死ねるのは置いておこう

トロルの他に爪が生える種族は、グール(claw1,素手適性+1)と運よく爪を引いた血族(最終的にclaw3,素手適性-1)ですね。
爪が生えると序盤から火力が高くて、終盤も無茶苦茶強い(流石に神罰釘バットみたいな文字通りの最上級の両手武器には負けますが・・・)。


おまけ
ぶっちゃけMiTmからCheiを信仰するビルドが一番楽で強いと思ってます。
・頭突きが強いので、変異術がなくても序盤をかなりの高確率で抜けられる
・ゆっくり頭突きが強いので、変異術がなくても中盤をかなり楽に抜けられる
・ゆっくりブーストが強いので、そのうち変異術が使えるようになっている。大幅火力アップ!
MiTm Chei、是非お楽しみあれ。


DCSS 各種遠距離武器の火力比較(0.17 trunk)(2)

 前回の記事では、スキル27の投擲が如何に最強の火力をたたき出すか、15ルーンでの高ACデーモン勢を相手に検証してみました。

 今回は3ルーンを前提に、通常の敵(ストーンジャイアントあたり)を相手に、通常のスキル(20程度)でどの程度投擲と弓で火力が違うのか? をfsimで確認してみました(クロスボウは確認していません。スキル20のアルバレストがスキル20のロングボウに劣るのは見るまでもないし、スキル20のトリプルクロスボウアルバレストと大して変わらないでしょう)。

追記:アルバレストの火力も見てみましたが、スキル18未満ではロングボウとほぼ同等の火力のようです。以下にデータを追記しています。クロスボウの評価を上げるべきなのかもしれません。

 

 条件は前回同様Fighting20、Str20、Dex20とし、各武器スキルを0~27まで変化させ、火力の変化を眺めてみました。

 スキル27まで伸ばすと明らかに投擲一強になるのは見るまでもないので、スキル20までを中心に比較していきます。

前回同様スキル10,15,20,27での火力を比較してみると、(念のためスキル27も書いておく)

+9 殺戮ロングボウ(属性矢)・・・   14.3, 19.1, 28.3, 31.4

+9 殺戮アルバレスト(属性ボルト)・・・14.8, 19.7,24.7, 27.1

鉄トマホ・・・                9.7, 16.1, 24.2,  41.4

鉄ジャベリン・・・               14.2, 21.2, 29.7, 48.4

がストーンジャイアント相手でのターンダメージです。

(詳細なfsimのデータは英forum 

https://crawl.develz.org/tavern/viewtopic.php?f=5&t=16798

に投稿したので、そちらを参照ください)

 

投擲の鉄エゴは火力1.3倍なのに対し、弓に対しては殺戮エゴの火力1.2倍の後、属性矢による火力1.25倍もなされており、合計で火力が1.5倍されていることに注意してください。

エゴなしの火力も書いておきます。

+9 ロングボウ  ・・・  9.5,  12.7, 18.9,  20.9

+9殺戮ロングボウ ・・・  11.4,   15.2, 22.7, 25.1

トマホ・・・            7.5,  12.4, 18.6, 31.8

ジャベリン・・・      10.9,  16.3, 22.8, 37.2

 

 前回のスキル27での比較で得た結果は、「ただのトマホークでさえ限界強化された殺戮トリプルクロスボウより強い」という恐るべき事実でした。

 それに対し、今回スキル20以下の火力を比較してわかることは、「ただのトマホークでさえ限界強化された殺戮ロングボウの火力を上回る、ということはない」という至極当たり前の事実です。

 ただ、それを踏まえても、やはり投擲は強いと結論付けても大きな問題はないでしょう。

 

 ジャベリンの強さについては一目瞭然です。ただの無エゴのジャベリンが、限界強化された殺戮ロングボウの火力とほぼ同等です。ロングボウの矢に属性矢を許すことで、ただのジャベリンはロングボウに負けてしまいますが、鉄ジャベリンなら属性矢を許した殺戮ロングボウの火力とほぼ同等です。

 

 トマホについては、スキル20未満では、火力1.3倍の鉄トマホを用いても、限界強化された殺戮ロングボウ(属性矢)の火力には勝てていません。ですが、鉄トマホは、属性矢を用いなかった場合の火力とほぼ同等です。また、ただのトマホークでさえ、限界強化された無エゴのロングボウ相当の火力なわけです。

 

 実際のプレイに即して、よりわかりやすく言い換えます。脳筋は普通近接武器をメインに戦っていくものです。その際、サブウェポンとして遠距離を嗜むことは十分に考えられますが、サブウェポンとしての投擲は限界強化されたロングボウに匹敵している(エゴなし:トマホ、殺戮エゴ:ジャベリン)のです。

 そして、サブのロングボウはサブの投擲に勝てません。なぜなら、所詮サブウェポンでしかないロングボウに殺戮巻や強化巻を施すことは考えにくいからです(後述するが、逆に弓はメインとして運用できるスペックがあるので、遠距離メインのビルドだと投擲の優位性は崩れる。最終的には投擲の火力が一強になるが、投擲は弾薬が少ないのでメインとしての運用は難しい)。

 つまり、最初から殺戮巻や強化巻が施されている点が投擲の強みといえるのです。

 

<まとめ>

 スキル27の投擲は、盾を持ちながら早業トリプルクロス(=ジャベリン)や属性ボルトつきの殺戮トリプルクロスを撃っている(=トマホ)ようなものなので、投擲一強はほぼ明らかでした。

 それに対し、今回は、スキル20未満の投擲の火力を確認してみました。十分実用に足る火力、ロングボウと比較できる火力を持っていることは確認できたと思います。

  結論をまとめると、スキル20未満では、細かい違いこそあるものの、投擲は(限界強化された)ロングボウとほぼ同等の性能を誇っていると見るべきです。おまけに盾と両立できます

 

<余談>

 これまで散々スキル27の投擲が強い、スキル20未満の投擲も盾と同時に使えるくせに十分な火力がある、というデータを出してきたので、投擲を選ぶのがあらゆるビルドでベストなのか、という疑問が湧いてきますが、必ずしもそうとは限らないと考えています。

 投擲ビルドの欠点は、やはり弾薬の確保です。弾薬が下賜されるOkawaru/Trogを選んでさえ、投げ物一本で戦うのは不可能です。そのため、近接武器にもスキルを振る必要が出てくるため、見た目以上にスキル経験値を必要とします。

 ただ、この点は、盾脳筋がサブの遠距離攻撃手段として運用する、あるいは、高火力の切り札として運用する、といった使い方であれば、あまり大きな問題ではないともいえます。

 投擲は、武器スキルを近接、遠距離に分散して振る余裕がある脳筋向けの選択肢といえるでしょう。スキル27まで伸ばしたいから脳筋向けだともいえます。

 それに対し、ロングボウはあまり武器スキルを分散させる余裕がないデュアル向けの武器だといえます。ロングボウを手に入れるまでが大変ですが、手に入れてからは、矢が大量に出ることもあって、ロングボウだけで十分戦えます。エゴ矢も、鉄ジャベに比べれば簡単に手に入るので、スキル20未満では実質的にロングボウの方が火力が高いという見方もできます。

DCSS 各種遠距離武器の火力比較 (0.17trunk) (1)

fsimで試してみましたが、やはり投擲がかなり強い。0.15から今に至るまで、修正が入らないのが不思議なくらいです。

fsimで対象とした敵はHell Sentinel(AC25 EV3)です。選敵はかなり偏っていますが、15ルーンを狙う上で、火力をはかる相手としては一番気になる相手でしょう(高AC、高HP、全耐性)(3ルーンくらいならstone giant, orb of fireくらいを対象にfsimすべきです)。

それに、Hell Sentinelはデーモン勢なので、holyエゴの火力*1.75が刺さります。

これで弓やクロスボウの火力に下駄を履かせたかった。そしてそれすら凌ぐ(あるいは匹敵する)投擲の火力にビックリです。

 

fsimの条件としては、ステータスはStr20, Dex20とし、Fightingスキルは20で固定しています。各種遠距離武器のスキルを0~27まで変化させ、火力の変化を眺めてみました。

比較した武器は、大岩、鉄ジャベリン、鉄トマホ、神罰トリプルクロスボウ神罰ロングボウの5種類(神罰は火力*1.75, 鉄は火力*1.3)。

ロングボウとトリプルクロスボウについては、修正値を+9まで強化しています。

fsimのデータを全部貼付けても、見てて眠くなるだけと思うので、スキル10,15,20,25,27の5つくらいで火力を比較してみます。

左から順にスキル10,15,20,25,27でのターンダメージです。

大岩・・・    14.6, 21.7, 30.1, 41.6, 48.3

鉄ジャベ・・・  9.6, 15.0, 22.3, 32.3, 37.8

鉄トマホ・・・  5.8, 10.6, 17.7, 26.7, 30.1

神罰ロングボウ・・11.0, 15.1, 22.8, 25.7, 26.5

神罰トリクロ・・・12.3,  15.8, 21.2, 29.3, 31.9

 

以上の結果から、スキル27での火力を比較すると、以下のようになります。

  大岩48.3>>鉄ジャベ37.8>>神罰トリクロ31.9>鉄トマホ30.1>>神罰ロングボウ26.5

さて、ここから神罰、鉄といったエゴを取り除いて火力を比較してみましょう(弓、クロスボウにのみ殺戮修正+9が適用されていることに注意)。

 大岩48.3>>ジャベリン29.1>トマホ23.1>トリクロ18.2>ロングボウ15.1

スキル27まで伸ばすと投擲一強というのが見てわかると思います。

参考までに、エゴありエゴなし両方含めた比較も書いておきます。

 大岩48.3>>鉄ジャベ37.8>神罰トリクロ31.9>鉄トマホ30.1>素ジャベリン29.1>神罰ロングボウ26.5>素トマホ23.1>素トリクロ18.2>素ロングボウ15.1

(なお、トリクロに殺戮エゴをつけても、それだけでは素トマホに勝てません)

ただし、この計算結果はあくまでhell sentinelを相手とした場合ですので、その点にはご注意ください。stone giantが相手なら知りません。

 

なぜこのように、スキル27まで伸ばすと、投擲の火力が一強になるのでしょうか。

それは計算式が原因です。

ロングボウやクロスボウは他の近接武器と同じ計算式で、大雑把に書くと、ベースダメ*ステ補正*武器スキル補正*戦闘スキル補正って感じの計算式です。

それに対し、投擲の計算式は、(ベースダメ+投擲スキル)*ステ補正*戦闘スキル補正という計算式なのです。

要するに、通常の近接武器の場合、武器スキルはベースダメに倍率でかかりますが( 1 + (1dSkill)/25をかけます)、投擲の場合、ベースダメに投擲スキルをそのまま加算しているのです。何の減算処理もないまま(石だけスキル/2に減算されますが)。

そのため、投擲スキル=27ですと、トマホークのベースダメージは33,ジャベリンのベースダメージは37となってしまいます。トリクロの補正されたベースダメージは、期待値で34程度なので、投擲とトリクロはほとんど同程度のベースダメージと見ていいでしょう。

そのうえ、クロスボウが最速1ターン、ロングボウが最速0.7ターンと、比較的遅めの武器であるのに対し、投擲は最速0.5ターンです。

一打が同程度なら、速度が速い方が強いのは当然ですよね。

 

さて、さらにこの結果から気になるところとしては大岩の火力が飛び抜けていることでしょうか。

スキル20においてもスキル27の神罰ロングボウの火力を凌ぎ、神罰トリプルクロスに匹敵する火力を叩き出しています。凄いですね。

 

まとめ

・今回は、15ルーンを狙うにあたって、スキル27での各種遠距離武器・投擲の火力を比較しました。

・ロングボウとクロスボウには殺戮修正+9、神罰エゴ(火力*1.75)の下駄を履かせましたが、それをしてすら投擲に太刀打ちできないか(神罰トリプルクロス<鉄ジャベ)、辛うじて上回る(神罰トリプルクロス>素ジャベ)といった程度のようです。投擲一強です。

・ステータスをStr20,Dex20からStr30,Dex10に変えても、火力の順位は大差ないようです。クロスボウの火力が上がっても、ジャベリンの火力も上がっているのだから当然ですね。

・今回はスキル27での火力を比較しましたが、次回は3ルーンを前提に、スキル20あたりでの火力を比較してみたいと思います。対象はstone giant, orb of fireあたりを考えています。

 

 

DCSS 各種族の紹介・雑感(3)

今回は割と純粋に殴りに向いた(要するに脳筋向けな)種族の紹介をしていきます。最後に紹介するDD以外はどれも使いやすいと思う。

 

(1) Minotaur(Mi)

猪突猛進な牛こと戦闘バカ。素手を含むあらゆる武器に正の適性をもつだけでなく(ほとんど+2)、弓・クロスボウといった遠距離武器にも+1の適性がある。

甲冑・回避、ともに適性がある数少ない種族の一つ(他はTe,DD,Haだけであり、いかに希少価値かがわかる)でもあり、防御も完璧(Lvアップ時のステータス振りをすべてDexにすることで、GDAを着てすら回避を機能させられる)。

その代わりに魔法は全ての領域に適性がなく、要するにシンプルに脳筋やろう、みたいな種族ではある。……

 

のだが、本当に恐ろしいのは、スキル適性ではなく、追加攻撃として機能する頭突きである。

敵を攻撃したときだけでなく、敵から攻撃を受けたときにも反撃として敵に追加攻撃を加えている(追加攻撃最強のVSでさえ、反撃はしていない)。

一見地味に見えるかもしれないが、ゆっくり信仰で追加攻撃発生率にブーストをかけると如実にわかる。歩いてるだけで敵が死ぬ。マジであかんやつwwww

 

Miはゆっくり信仰を使わない場合は、辛うじてバランスの範疇内で、top-tier種族には挙げなかったが、ゆっくりを使うなら間違いなくtop-tierの一つでしょう。

追加攻撃のおかげで最序盤から適当に操作しているだけで強く、intブーストが載ってきたあたりで、刃の手を使ってスパスパ切り刻んで、最後は石像に変身して地獄・パンデモを悠々と回ることができる。

トロルの立場がないね。強すぎてヤバい。

 

(2) Hill Orc(HO)

Miと並んで大人気の脳筋種族。Miとの大きな違いは、第一に頭突きがないこと。

なので、Miほど序盤安定する訳ではない。

第二に、武器適性がMiより偏っていること。Miはほとんど+2なのに対し、HOは斧だけ+3で後は大体+1が多い。

斧自体がすごく強い系統で、Miで脳筋やるときも大体斧を選ぶことが多いと思われるので、ここはむしろHOの強みだと考えていいでしょう。

第三に、遠距離武器はMiほど得意ではないということ。弓やクロウボウを使うならMiには勝てない。が、実は投擲適性はMiもHOも同じ+0なので、投擲で戦うならさほど大差はない。

第四は、Miと違って回避が苦手なこと。Miは回避+1なのに対し、HOは回避-2。

HOは斧適性が抜群なので、ついつい両手斧を振り回したくなるが、その際にEVが低いというのは結構辛い。なので、斧を振り回す上でも、やはりMiの方が安定感があるかもしれない。

 

ここまで、HOがMiより劣っている点ばかり書いてきたが、優れている側面もある。

それは、祈祷適性と魔法適性である。

祈祷適性はなんと+3で全種族中top。YredelemnulやQazlal,Elyvilonなど、祈祷スキルをしっかり振っていかなければいけない祈祷脳筋ビルドでは、Miより明らかにHOの方が有利。

あと、HOは一見魔法が苦手そうに見えて、実は魔法はそこそこ使える方。

詠唱こそ-3と低いが、妖術・召喚・死霊・Hex・地術は0ベース。他は1とか-2が多いが、一方のMiは-3とか-4ばっかりなので、明らかにHOの方が魔法が得意。

引きがよければ、まだ3ルーンも取っていないのに、Necromutationが実用範囲内に入ったりする。

もちろん、そんな無茶なことをする意味はない。ただのネタプレイである(なお、そのHOはパンデモでセレボブにやられた模様。Necromutationの無力さを感じる)。

HOのMiと使った使い方としては、重装魔法デュアルを目指すのが最もわかりやすい。ただ、脳筋スタートするとIntが低いので、レベルアップ時にIntにそこそこ振る必要はある。

ただ、それがめんどくさい、ゆっくり信仰しよう、とかなっちゃうと、Miも簡単に魔法を使い始めてしまうのはHOの悩みどころかもしれない

(しかも、MiはHOより軽装が得意なせいで、Miの方が魔法が得意な疑惑さえある) 

 

(3) Merfolk(Mf)

水棲の民。無印から続く人気種族。

HOが重装斧デュアルなら、Mfは軽装槍デュアルといった感じ。

(HOが軽装を苦手とするように、Mfは重装が苦手)

槍適性+4、回避適性+3と、殴り適性は抜群、魔法もHOと同じく普通に使える。

おまけで水中で泳げて、EVにブーストがかかる。

わかりやすく強い種族ですね。

 

ただ、個人的にはMfは変異術師でスタートして素手で戦うのが好み。

素手+1,回避+3,変異+3,毒+1,氷+1って、序盤の変異術師に必要なスキル適性が全て揃っているのは現在のDCSSではこの種族だけ

MiTmの方が遥かに簡単だけど、これはかなり邪道なにおいがするので、王道に変異術師やりたいならMfがいい。

 

(4) Deep Dwarf(DD)

異色の種族。なんと自然回復しない。自然回復しない種族は、DDとbloodless状態のVpくらいなものである。

自然回復停止はとてつもない制約なので、信仰には当然制約がかかってしまう。

実質Trog,Elyvilon,Makhleb,Kikubaaqudgha,(終盤の)TSOくらいしか選択肢がないので、信仰システムが重要なこのDCSSというゲームにおいて、プレイの幅はどうしても狭まってしまう。

ではDDの何が強いか?というと、

・ダメージ軽減

・癒しワンドを初期所持、最大MPを減らすことで任意のワンドを充填できる

・スキル適性、ステータス

・5を押さなくていいためTA向き、レベルアップで地形感知がつくのでTA向き

の4つである。

 

順に説明していくと、DDにはダメージ軽減があって、これが実質ACの水増しとして機能する。

さすがにGrほど硬くはならないが、地味に強い。毒ダメージ、スマイトすら軽減対象に入る(後半のhellfireやtormentも軽減対象)なので、序盤はすごく硬い。

毒で死なないのは超快適です。

ただ、その地味強だけで、超弱の再生停止は相殺できる訳はない。DDが強いのはこれ以降の強みもあってこそ。

 

2番目の特性としては、要するにいつでも回復できるということ。

序盤が最も厳しいこのゲームにおいて、序盤にいつでも回復できるというのは凄まじいアドバンテージ。

もちろん回復ワンド使いまくって、MP犠牲の充填も使いまくったら、後半しんどくなるからある程度は自重する必要はある。

ただ、後先考えなければ、序盤性能は最高峰の一つといっていい。だから凄く初心者向き。

3ルーンくらいなら割と適当にワンド充填使いまくってもMPは足りるので、3ルーンならtop-tier種族の一つ、15ルーンを見据える場合はあまり雑に充填使えないので、そこはちゃんと考える必要はある。

 

3番目の特性としては、適性やステータスが凄まじくよい。

ぱっと見わかるのは、祈祷の+3、発動の+4。発動適性高すぎです。

さらに、甲冑・回避両方に適性がある数少ない種族というだけでなく、ステータスが高い(特にStr,Int)ので、鎧を着て魔法を唱えるのもHOより簡単である。

特に死霊術、地術が得意なので、そういった方向を生かして重装魔法戦士を目指すのも悪くない。というか、15ルーンを狙うなら、その方向が最も安定しそうである。

 

4番目に書いたことは、要するにTAをバリバリやる上級者にとっては現状一番の種族だということ。今のtop-scoreはDDWrです。

 

 

 

 

DCSS 各種族の紹介・雑感(2)

今日は大型種族を紹介します。

大型種族はHPが高いため一見硬く見えるのですが、装備制限がきついので実際はかなり脆いです。

しかも、ACを確保するのが難しい割に、EVも大型補正で無茶苦茶低いと、とにかく防御力に難がある種族ばかり。代わりに盾の必要スキルが軽く設定されているのが強みなので、どの種族も盾をもつと安定するかもしれません。

ただ、制約がきつい代わりにcrazyな特性をもっている(特に最初に紹介する2つ)ので、それを生かすとすごく強いです。楽々15ルーン取れるくらい。

 

(1) Troll(Tr,トロル)

大型種族といえば言わずとしれたこいつ。TAからスキル一桁縛りまで、あらゆるビルドで大活躍する万能種族。

wiki曰く、easy種族で最強。

すごく脆いため、時にEasy to Dieと揶揄される(主に筆者から)こともありますが・・・。

何が強いかというと、まず、大型でHP補正が高く(戦闘適性は-2しかないが)、爪が3ランク生えている。爪の3ランクは、ベースダメが+6されるので、恐ろしく強いです。

また、再生も2ランクついているため、序盤性能はすごく高い。鋭い爪で殴りながら適当に操作しているだけであっさり序盤を抜けられます。

しんどいのは中盤から。装備制限が酷いのでとにかく脆い。枠が少ない上、胴体枠も動物の皮かドラゴン鎧しか着られないので、ドラゴンの皮を剥ぐまで相当ACが低い。

EVも終わってる上、魔法適性も生ゴミ未満レベルなので、雑魚の群れと戦うだけで息切れしてあっさりHPが赤字になったりします。

ただ、それは敵と真っ正面から殴り合ったときの話で、トロル(と次に説明する)オーガの2つの種族だけは、Large Rock(大岩)を投げられる。

大岩はベースダメ20といういかれ性能(正確にはthrowingスキル+岩のベースダメ20がベースダメで、ここに戦闘スキルとステータスによる係数を掛けてダメージを算出)で、このゲームでMPを消費しない最強の遠距離攻撃だといっていいでしょう。

投擲スキル27なら、ベースダメ47の攻撃を0.5ターンで繰り出している訳で。

また、たとえ投擲スキルが低くても、岩のベースダメ自体が高いので、命中率が悪いという欠点はあるものの、十分な遠距離火力を叩き出す。

とにかく触られる前に大岩などの投擲を駆使して敵の群れを削るのが重要です。というか、大岩を投げられることがトロルの大きな存在意義(投擲縛っても勝てますが、かなりきつい)。

 

中盤は辛いですが、終盤のトロルは恐ろしく強いです。

終盤まで来たら何かしらまともな鎧を着ているか、トロルの生ゴミ未満の魔法適性でもStatue Formという最強の攻防一体スペルが安定していることが多いと思われるので、防御面は問題から外れます。

まともな防御値を確保できた結果、高HP+再生のおかげで相当タフになり、極まった大岩投擲や素手+変異術による鬼畜火力もあわせて、楽々15ルーンを取れるという仕組みになっています。

というか、後半性能だけ見るなら、トロルによる、素手・投擲(大岩)・魔法(変異術)三元を超えるビルドなど存在しません。

最強種族トロルを是非お楽しみください。

 

(2) Ogre(Og,オーガ)

トロルと双璧をなす種族で、こちらも大岩を投げられるのですごく強い。

ただ、トロルの陰に隠れがちかもしれません。英wikiでもトロルがeasy扱いされているのに対し、オーガはhard扱いされています。不遇種族の一つでしょう。

トロルと何が違うかというと、まずスキル適性(=成長速度)が全然違う。

トロルは生ゴミ未満の成長速度なのに対し、オーガの成長速度はまさに神とでも言うべき速さ。

戦闘適性一つとっても、トロルが-2なのに対し、オーガは+3なので、全然HPが違います。

また、装備する武器がトロルとオーガで全然違うのも特徴です。

オーガの最終装備はgiant spiked club(釘付き巨大棍棒、ベースダメ22、最速0.7ターン)になることが多いです。

この釘付き巨大棍棒(略して釘バット)も、大岩同様トロルとオーガ以外の種族は全く装備できないので、大型の存在意義の一つといえます。

ただ、トロルは爪が生えているため素手を選択することが多く、結果オーガ以外誰も装備しないのが現実です。

素手のトロル、釘バットのオーガという比較になります。

で、素手と釘バット、どっちが強いの?っていう話になっちゃうんですが、スキル27まで極めて、変異術も使える前提なら、トロルの素手の方が強いでしょう。

ただ、トロルとオーガでは成長速度が全然違う(トロル:素手適性0、オーガ:鈍器適性+3)ので、15ルーン道中では釘バットをもったオーガの方が火力が高いケースも多いでしょう。

また、魔法適性もトロルよりはオーガの方が遥かに上なので、その点でもオーガが優位に立ちます。

といっても、詠唱適性こそ+1とあるものの、各魔法領域の適性はall-3なので、オーガで魔法を使うのも結構辛いですけどね。

ゆっくりかザリ信仰なら簡単に魔法を使えるようになりますが、その信仰を前提とするなら、トロルでも堂々と魔法を使い始めるので、やっぱりトロルと比べて不遇扱いなのは仕方ないと思います。

書き忘れましたが、オーガがトロルと比べて何より不遇なのが、序盤性能が格段に違うことです。

トロルは適当にプレイしていても序盤あっさり抜けられますが、オーガは相当しんどい。

序盤から大して強くないのに完成形でトロルに負けるのが不遇、というのがオーガに対する個人的な見解ですね。弱いとは言いませんが。

 

(3) Centaur(Ce,セントール)

トロルやオーガのように釘バットを持てたり、大岩を投げられたりするというわけではありませんが、こちらも大型種族扱いです。

最大の強みは、一歩0.7ターンで歩けることです。俊足は大正義。

セントールは弓や投擲に+3も適性があるので、俊足+遠距離攻撃で打撃しかできない奴は簡単に封殺できます。

欠点は脆いことです。いくら俊足+遠距離攻撃が強くても、後半の遠距離祭りには無力なので、ある程度防御力がないと話になりません。

ただ、脆いとは言っても、トロルやオーガとは結構方向が違う。

トロルやオーガは胴体枠でドラゴン鎧くらいしか着られないと書きましたが、セントールの場合はどんな鎧も着られます。

代わりに奇形変異が自前でついており、鎧のベースACが半減されて計算されるので、重装でも(一見)全然ACが伸びない、というのが脆いところです。低EVも言わずもがな。

ただ、奇形変異で鎧のベースACが半減されて計算されると書きましたが、甲冑スキルによるAC上昇量=(すべての枠のベースAC)*甲冑スキル/22 でのベースACは、半減されません。Gold Dragon Armourなら、きっちり胴体枠のベースACは6ではなく12と計算されます。

また、セントールにはレアものではあるのですが、専用のcentaur bardingという靴が用意されています。こちらのベースACは4。

甲冑スキルでのAC上昇量の計算式でのベースACは、すべての枠のベースACの総和を意味しているので、この靴を入手でき、甲冑スキルが伸びてきたゲームの後半では、普通の種族よりもむしろACが高くなります。

 

なので、中盤こそ脆さに苦しむものの、最終的には硬くなります。

トロルやオーガと方向が違うと書きましたが、その点は似ているかも。

HPも高く、とにかく俊足が強いので、これも楽々15ルーン取れる種族だといえます。

 

(4) Naga(Na,ナーガ)

大型種族最後の紹介はこちら。ナーガです。

俊足のセントールに対して、こちらは鈍足。一歩1.4ターンを強いられるので、序盤はとにかくしんどいです。

じゃあセントールより何が強いのっていう話になりますが、まず耐性が強い。

最初から耐毒と霊視を所持しており、またMRも高く設定されているので、装備パズルが随分楽になります。

また、奇形変異がついているのもセントールと同じですが、こちらはセントールと違って、レベルアップごとにどんどんACが伸びていく。

セントールがAC+3の変異しか持っていないのに対し、ナーガはLv3ごとにACが1ずつ上がっていきます。Lv27まで上がればAC+9。

セントール同様専用ブーツもあるので、後半はすごく硬いです。

その他、隠密適性が+5と小型並、隠密値補正も小型種族と同等の18だったり、締め付け攻撃ができるおかげで殴り火力が高かったり、HPが全種族で2番目に高い(オーガとトロル、robust3の血族がHP*1.3、ナーガはHP*1.2、セントールはHP*1.1)と、とにかく優秀な種族です。

鈍足やら奇形で序盤がしんどいのは耐えるしかないですが、中盤以降どんどん硬くなっていって、最終的にものすごく硬くなるのが強みです。

とにかく硬いのが強みで、ナーガは大体何をやっても強いです。

後半のMega-Zigを見据えて、耐久の高いナーガで妖術師ビルドをやる人も結構多いです。

HPが高い割にトロルやオーガほどAC弱者というわけでもなく(むしろ後半相当硬くなる)、魔法が普通に使える(適性はほぼ真っ平ら)というのは反則的な強さなのですね。

まあ序盤性能はあまり高くないので、そんな過大評価するほどでもないですが。

序盤も終盤もトロルの方が強い!

 

 

 

 

 

DCSS 各種族の紹介・雑感(1)

ここ一年くらいDCSSばっかりプレイしていて、猫とタコ以外の24種族はすべて脱出記録が作れました(猫とタコは自分の腕だと群を抜いて脱出が難しい)。

ので、各種族の簡単な紹介・雑感などをまとめてみたいと思います。

できれば難易度ランキングとか強弱ランキングとかつけたら面白そうなのだけれど、これは何を基準にするかによって全然変わってきてしまうから、一概には書けない。

だから、今回はあくまで種族の強弱やら難易度やらはあまり考えず、雑感だけを記していこうかと思っているのですが、それでも、バランス壊しまくりに強い種族だけは特筆しておきたい。

私が、DCSSでバランスを壊しまくりに強いと考えている種族は、

Vine Stalker, Gargoyle, Formicid, Demonspawn の4つです。

今日紹介するのもこの4つだけ。

この4つだけは先に紹介させてくれ。

 

(1) Vine Stalker(VS)

スキル13縛りの定番ことVS。個人的には、現在DCSSでもっともバランスを壊している種族だと考えている。

というのは、火力も防御力もおかしすぎる。攻防一体で、そのどちらもインチキレベルなのだから、まさにバランスぶっ壊れ。

火力=追加攻撃が強すぎる。Fangs_level×2 + XL/3。Lv27なら+15の追加攻撃というわけだ(別途AC軽減は入るようだ)

防御=守護霊がついていて、ダメージをMPで肩代わりしているのだが、敵を殴ったときにMPが回復する。敵を攻撃すると、ダメージの肩代わりをするMPが回復するというのは、やっていることは、ほとんど吸血攻撃に等しい。クイブレもって殴り合えば、1ターンでとてつもないMPが回復する。あとregen3もついている。

何度も書くけど、完全にインチキ極まりない種族。

そして、それだけインチキ性能ならプレイの幅は狭くなるように作られているのかというと、全然そんなことはない。装備制限はないし魔法も使えるし暗殺もできる。

要するに、制約は大したことがないのに(ちょっと回復薬やワンド使えないのと、見た目HPが低く見えるだけ)、インチキな攻撃・防御性能を誇っていて、さらにプレイの幅も広い。

頭おかしい。

(2) Gargoyle(Gr)

こちらも言わずとしれたバランスブレイカー。毒免疫・絶縁・腐敗耐性・苦痛半減・rN一枚がついていて、レベルアップでどんどんACが上がっていく。最終的にはAC+20される(GDRもついてくる)。

とにかく防御力が高すぎる。防御力を確保するのに必死になるゲームでこのアドバンテージは非常に大きい。他種族より100歩くらいはリードしてる。

なお、HP-20%は一見デメリットのように見えるけれども、mega-zigに乗り込むまでは何のペナルティにもなっていないのが現実。

(3) Formicid(Fo)

前にゆっくり信仰のススメで紹介した種族。

常時停滞という非常に大きいペナルティを抱えているので、ゆっくりで欠点を補完するのがオススメ。

両手武器と盾の両立を可能とするというインチキ性能。火力も防御もどちらもほしいゲームで攻防一体なのはあまりにも大きいアドバンテージ。

その他にも、穴を掘れたり敵を感知できたり霊視を持っていたりと、様々なcrazyな特性を付与されている。

にもかかわらず、経験レベル・スキルレベルともに成長速度が異常に速く設定されているのである。

レベルアップ速度は人間と同じで、戦闘適性+1、詠唱適性0、隠密適性+3、盾適性+2と、非常にいかれた成長速度なのがわかる(念のために説明しておくが、詠唱適性は-1が標準である)。

後述するDemonspawnが、crazy特性の代わりに成長速度がボロボロという欠点を抱えているのとは非常に対照的だ。

常時停滞という欠点をゆっくりで補ったFoはまさに無敵の強さを誇るといっていいだろう。

(4) Demonspawn(Ds)

無印から続く名物種族。特性として、レベルアップを重ねるごとにどんどん変異が増えていく。

この変異が非常に強いものばかりなのである。色々紹介したいのだが、説明が面倒なのでcrawl wikiあたりを参照するか自分でプレイして確認してほしい。

欠点は成長速度が、レベル・スキルともに非常に遅いことだ。

だが、無信仰プレイでもしない限りは、信仰でこの欠点を葬り去ることが可能なので、純粋に特性である強変異祭りだけを楽しむことが容易だ。

逆に言うと、無信仰にすると、成長速度の遅さという欠点が仕事をし始めてきて、バランスが取れている種族になる。

個人的には無信仰Dsは割とオススメ。神の加護など頼らず、変異による自力だけを信じて是非戦ってみてほしい。

 

 

 

変愚蛮怒 "竜窟スカム"の多義性と効率性について

今回も Roguelike Advent Calendar 2014 - Adventar

の記事です。 内容は変愚蛮怒の竜窟スカムに関する考察です。

 

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1. Roguelikeとしての*bandの特異性
 今年のアドベントカレンダーの記事にもあったが、Roguelikeにおいて、一般に物資や経験値は無限にあるものではない。元祖Roguenethackから続くRoguelikeの伝統は、基本的には、階層が保存されるダンジョンを潜り(Rogueはイェンダーの魔除けを手に入れるまで階段は上れないが)、有限の敵を倒し、有限の物資と経験値を獲得し、脱出するといったものだ。
 コンシューマーの不思議のダンジョンシリーズ(シレンなど)も、この方向のゲームだと考えてよいだろう。ストーリーモードのダンジョンを除けば、持ち込み不可ダンジョンを潜ることを楽しむ(いわゆる「素潜り」)ゲームのはずだ。


 ところが、こと*bandにおいては全くそうではない。
 普通のRPGと同様、物資も経験値も無限にある。ありあわせのものでなんとかするというよりも、万全の準備を整えるプレイが要求されている。ほとんど普通のRPGと同じで、違うのは、死んだら最初からやり直しという一点のみ。
 同じRoguelikeでも、*bandは元祖Rogue,nethack不思議のダンジョンシリーズと方向性が全く異なることがわかる。
 このあたりの考察は、以下のブログ記事に詳しい。
 http://d.hatena.ne.jp/inziladun/20070421/1177167794

2. Roguelikeにおける"スカム行為"とは?
 "スカム行為"は多分に"汚い行為"という意味だと思う。「ゲームの本質から外れるような汚い行為」をスカムと定義して、話を進めたい。では具体的にどういった行為がスカムに該当するのか。

 *band以外のRoguelikeで考えてみる。こちらは基本的に、物資・経験値が有限であることをゲームの前提としている。物資・経験値を安全地帯で無限に稼ぐプレイはおよそ推奨されるプレイではない(だからこそ食料システムという、常にプレイヤーに前進を強いるシステムが採用されている)。こういった行為をスカムと呼ぶのは自然に思える。

 一方*bandは、物資・経験値が無限にあることをゲームの前提としており、無限に行える稼ぎこそプレイの本質であるといっていい。安全地帯で物資・経験値を稼ぎ、万全の準備を整えた上でより深い階層へと進むプレイが推奨されているので、単なる稼ぎプレイをスカムとみなしてしまうと、あらゆる行為がスカムと呼ばれることになる。

 ではどういった行為が、*bandではスカムとして扱われるのか。直感的には、「適正階層以外で行われるあまりにも不自然な稼ぎプレイ」をスカムとみなすのが妥当だろう。ただし、その不自然な稼ぎプレイが効率的な稼ぎ方であるかどうかは問わない(なイ観TAを生み出した塔ブラックウーズ狩りのような、あまりにも効率的すぎるスカムは、最新の変愚ではBMスカムを除いてなくなっているので、効率性を定義にするのはよくない)。

 先ほど*bandは普通のRPGに似ていると書いたので、普通のRPGで何がスカムに該当するのか書いてみる。
 DQを例にとると、経験値が美味しいメタル系モンスターが出現しやすいダンジョンに籠もり、毒針を装備してメタル狩りを行うプレイが典型例として挙げられる。そして、この"メタル狩り"が効率的なゲームの進め方であるかどうかは、はっきりとはわからない。
 RTAのチャートを見ても、メタル狩りを前提とするチャート(道中の雑魚敵に対しては最低限の対処で逃げる)とメタル狩りを前提としないチャート(道中の雑魚敵を積極的に狩っていく)がどちらも存在することがある。もっとも、意図的なメタル狩りがあまり必要なかった作品でも、最近はメタル狩りを前提とするチャートに置き換わりつつあるのだが(SFCDQ5が典型)。

 DQでいうメタル狩りは、*bandでは何なのかといえば、それはもう皆さん大好きな竜窟スカムに決まっている。以降は竜窟スカムについて考察する。

3. 竜窟スカムの多義性
 長々と書いてきたが、この投稿で一番主張したいのはこれ。
 「適正階層より深い階層で行われるスカムと、適正階層で行われる単なる稼ぎと、適正階層より浅い階層で行われるスカムは区別して話すべき」

 もっと具体的に言うとこうなる。

 「鉄獄30Fを彷徨くのが精一杯のキャラが竜窟60Fでドラゴンを狩るプレイ、
  鉄獄30Fを彷徨くのが精一杯のキャラが竜窟60Fで毒針片手にワイアームを狩るプレイ、
  鉄獄60Fを彷徨けるキャラが竜窟60Fでドラゴン・ワイアームを狩るプレイ、
  鉄獄98Fを余裕で彷徨けるキャラが竜窟60Fあるいは72Fでドラゴン・ワイアームを狩るプレイは、
  全て区別して話さないと議論が混乱するので、"竜窟スカム"という曖昧な用語の使用は極力避けるべき」

  通常のRoguelikeにおいて、スカム行為とは、安全地帯で無限に物資・経験値を稼ぐことだということは先に述べた。
 だが、こと変愚においては、どう考えても安全ではない、むしろいつ死んでもおかしくない不相応な場所における稼ぎプレイすらスカムと称されることがある。  
 安全地帯での不自然な稼ぎプレイも、危険地帯での不自然な稼ぎプレイも、どちらも「スカム」として扱われる点が非常に紛らわしい。
  そして竜窟こそ、まさにキャラのレベルによって安全にも危険にもなるダンジョンなのである。

4. 竜窟スカムの効率性について(筆者の独断と偏見に基づく)
 ここからは竜窟スカムが本当に効率的なのかどうかについて考察していきたい。リスク・リターンという物差しで効率性を図ってみる。

(1) 適正階層が鉄獄30Fのキャラが竜窟入り口でドラゴンを狩るプレイ
 これはハイリスク・ローリターンの部類に入り、明らかに効率がよくないと思われる。
 30F程度のキャラが60Fをうろつくのはたとえ階段があってもかなり危険な行為なのに、得られるものがただのドラゴンなのだから、危険に対してリターンが見合っていないというべきだ。
 もちろん、ドラゴンを狩れるのは美味しいので、たかがドラゴンと言うのはおかしいかもしれないが、危険状態をリセットする階段昇降に必要な時間まで考慮すれば、時間あたりに得られる経験値は大したことがない。
 安全性の面まで考えれば、普通に鉄獄3,40Fを潜って、目があったドラゴンをしばいていく方がよいだろう。

(2) 適正階層が鉄獄30Fのキャラが竜窟入り口で毒針片手にワイアームを狩るプレイ
 これは(1)と違い、ハイリスク・ハイリターンの部類に入り、竜窟スカムの中で最も効率性が高いと考えられるものだ。ただし、プレイヤー側にかなりの熟練を要し、慣れないプレイヤーが行えば、たとえ*勝利*者であっても一瞬で死に至ることだろう。
 30F程度のキャラが60Fをうろつくだけでも危険なのだが、さらに毒針という確率依存の武器でワイアームを相手にしなければならない点がかなり難しい。
 だが、逆に言えば、このくらい格上の敵を狩るのでない限り、30F程度のキャラが竜窟に出入りする意味は皆無だということだ。たまに(1)を初心者に推奨する人が見かけられるが、やめた方がいいと思う。かといって、(2)を初心者に推奨できるかというと……。

(3) 適正階層が鉄獄60Fのキャラが竜窟入り口でドラゴン・ワイアームを狩るプレイ
 これはローリスク・ノーマルリターンといったところか。つまり、ノーマルリスク・ノーマルリターンより効率はよい。
 適正階層での稼ぎなのだが、竜窟の方が鉄獄より敵密度が薄く安全なのと、階段で状況をすぐにリセットできる点を考えて、ノーマルリスクではなくローリスクとしている。
 ただ、これをスカムとみなせるかどうかは正直怪しい。適正階層での稼ぎをちょっと安全にしているだけに過ぎないからだ。

(4) 適正階層が鉄獄98Fのキャラが竜窟でドラゴン・ワイアームを狩るプレイ
 最後のこれはローリスク・ローリターン。
 適正階層より浅い階層での稼ぎなのだが、98Fまで来ると危険度もピカイチ(感知、*破壊*を徹底するなら、竜窟72Fも鉄獄98Fも危険度は大差ないのだが……)なので、少し階層を下げて竜窟72Fを探索するのも意外と悪くはない。少なくとも経験値は安全に稼げる。
 ただ問題なのは、床に落ちているアイテムの質は鉄獄深層の方が圧倒的に上だという点。終盤まで来ると、むしろ啓蒙スカムで床落ちのアイテムを積極的に回収していきたいので、経験値稼ぎ以外の側面まで考慮すれば、決して効率はよろしくない。


 以上の考察をまとめると、竜窟スカムの効率性は意外とよくないという真実が浮かび上がってくる。
 もちろん低レベル帯からの毒針ワイアームスカムは嵌ればすごく効率がよいのは間違いないが、プレイヤーに相当の熟練を要求するので、凡プレイヤーから見るとあまり効率はよくない。
 凡人にもできる竜窟スカムは(3)、(4)くらいなものだが、適正階層で戦っている(3)は到底スカムとは言えない疑惑があるし、(4)の効率が実はよくないことも上で述べた通り。 
 結局のところ、この変愚蛮怒というゲームは、適正階層で安全に戦い、安全にアイテムを回収していくスタイルが、安定感が高く効率もよい、という、到って平凡な結論に到達する。そう考えると、いわゆる"鉄獄縛り"という縛りは、縛りどころかむしろ理に適っているプレイスタイルであることがわかる。

 竜窟に篭りきりの皆様も、たまには鉄獄縛りなど如何でしょうか。もっとも、自分も変愚本家では鉄獄縛りでは勝っていないのだけれど。
 
5. 勝手版の竜窟スカムについて
 最近は勝手版をプレイしていることが多いのだが、勝手版では竜窟と町との往復にかかる時間が、変愚本家のそれより多いので、どんな形であれ竜窟を利用する気がしなくなった。前回の*勝利*記録では一切使用していない。
 というか、本家よりもエゴやアーティファクトが豊富で、かつツモ補正も何となく上がっている気がするので、クローン前に必死にワイアームを突っついて装備を整える必要性は薄くなったように思える。
 あと、ストームブリンガーの入手難易度が上がった点も、私を竜窟から遠ざけている非常に大きな要因だ。