@ゲー単走部

ローグライク雑記。変愚蛮怒、DCSSなど。

DCSS ゆっくり信仰のススメ

今回も Roguelike Advent Calendar 2014 - Adventar

の記事です。 内容はDCSSです。

 

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DCSS ゆっくり信仰のススメ

この記事は、DCSSのCheibriados(通称ゆっくり様)信仰のガイドのつもり。
ゆっくり様は非常に強力な神様なのだが、その制約のために扱いが難しい。
結果、海外ではしばしば色物扱いされ、挙句の果てには弱いなどと評されることもある。
だが、ゆっくり信仰は一見色物のように見えて、実はかなり安定したプレイを可能とする信仰なのである。
ここではゆっくり信仰の組み立てる戦略を解説する。
より多くのプレイヤーにゆっくり信仰の秘める強さを知ってもらいたいと願っている。

1. ゆっくり信仰はどういう信仰か
crawlは信仰システムを採用している。
神を信仰することで様々な恩恵を受けられ、有利にダンジョン探索を進められるというシステムだ。恩恵だけでなく、何かしら制約を受けることもある。

無信仰を制約0、恩恵0の基準状態とするならば、ゆっくり信仰は、「制約は重いが受ける恩恵も大きい」神様である。
(逆に、ゆっくり信仰を制約0、恩恵0の基準状態とすれば、無信仰の方こそ「制約は重いが恩恵も大きい」。
ゆっくり信仰のもたらす恩恵を受けられないことが無信仰の制約であり、
ゆっくり信仰で禁止されることができることが無信仰の恩恵である)
もしかしたら、制約は重い割に受ける恩恵も大したことはないと思われているのかもしれないが。

恩恵・制約をリストアップしてみる。

恩恵
・信仰値が上がるとステータスが増えていく。最終的には全ステ+15
・祈祷がどれもこれも強い。特に、強力な視界内攻撃や緊急避難の祈祷には目を見張るものがある。
制約
・信仰値の上昇とともに、歩く速度が遅くなる。最終的には、歩く速度が2倍まで遅くなる。
・ただし、遅くなるのは歩く速度だけで、その他の行動速度は何ら影響を受けない。
・加速を禁止される(鈍足を加速で打ち消す戦略は不可能ということ)。
・棄教すると抵抗不可の麻痺が懲罰で飛んでくるので、棄教は実質的に無理。

要するに、全ステ+15という強力なパッシブのうえ強力な祈祷を誇るものの、制約として鈍足になる。
鈍足になるだけでなく、あらゆる加速も禁止される。

一般に、ローグライクゲームにおいて移動速度は重要なパラメータである。
これが重要でないローグライクゲームなどないと思う。
また、加速行動が非常に強力であることにも疑いの余地はない。
crawlにおいてもhasteによる全行動1.5倍速はあらゆるビルド(もちろんゆっくり信仰は除く)における定石となっている。

ゆっくり信仰ではこの定石を根底から覆すような制約を受けるのだから、色物扱いされるのはやむを得ない。
だが、実際のところゆっくり信仰は不安定なプレイを要求する信仰ではない。
むしろ、かなり安定したプレイが可能になる信仰なのである。

2. パッシブの全ステ+15はただただ強い
ゆっくり様最大の魅力は何といってもパッシブのステータス上昇。
crawlはスキル制のゲームで、スキルが最重要なのは言うまでもないのだが、ステータスも実際のところかなり重要。
Str,Int,Dex、この3つの重要ステータスがall+15されるのは、ビルド構築に恐ろしいまでの安定感をもたらす。

具体的に言うと、重戦士ビルドがまるで小型種族のように敵の攻撃を避けまくり、挙句の果てにLv9魔法まで唱え始める。弱いわけがない。

ビルドの対応力を高めようとスキルを分散させ、デュアル化していく場合、大抵器用貧乏になる道は避けられない。
だが、ゆっくり信仰では破格のステータスブーストを生かすことにより、自然にデュアルへの移行が可能となる。
この事実により、ゆっくり信仰では恐ろしいほどの安定感をもって過酷なダンジョンを探索できるのである。
3ルーンならば最強の神様だと言っても過言ではない。

3. 祈祷はどれもこれも強い
ゆっくり様はパッシブが恐ろしく強いのだが、パッシブだけで移動速度や加速を捨てるのはつらいだろう(特に序盤)ということで、親切な祈祷が用意されている。
どれもこれも非常に有用。自前の手札で対処できない事態に遭遇したとき、歩いて逃げられないゆっくり信者は祈祷に頼っていくスタイルを取るのが基本だ。
パッシブによって得られる自前の手札と祈祷をあわせれば、対応できない状況は存在しなくなる。

aa Bend Time: 隣接する敵すべてに確率で減速判定を加える。相手が減速すれば、実質自分が加速しているのと同じなので強い。祈祷スキルと敵のHDに依存して減速確率を決めているのが特徴で、後半のMR-Immuneの敵にも通りうる。

ab Temporal Distortion: 一時的にターンを経過させる(その間@は別空間に隠れている模様)。これも様々な用途に使える重要な祈祷だが、一番の用途は遠距離攻撃もちの敵をこちら側に寄せること。寄ってくれないこともあるので過信は禁物だが、気軽に歩けない局面で遠くの敵をこちらに近づかせることができるのは強い。

ac Slouch: @と敵の速度差に依存したダメージを視界内全域に与える。恐ろしく強い。困ったらとりあえずac連打しとけと言われるくらい。序盤、中盤は困ったらとにかくSlouch連打が基本。終盤は若干なりを潜める。

ad Step From Time: ゆっくり様最終奥義。abのTemporal Distortionが一時的なターン経過なのに対し、こちらは大幅にターンを経過させる。結果として、あらゆる状況からの緊急避難として機能する(しないこともある)。緊急避難手段が少ないcrawlにおいて、祈祷で緊急避難が使えることの意義は非常に大きい。

4. ゆっくり信仰の序盤
ゆっくり信仰は信仰値が****に到達し、slouchを撃てるようになるまでの序盤が非常に辛い。
パッシブのステータス上昇が大したことがないうちに歩く速度を奪われるからだ。
この時期ははっきり言って無信仰未満の強さしかない。
したがって、序盤はかなり慎重に動く必要がある。
序盤から強い強種族・強職で慎重に動いて、****まで頑張ろう。そうすれば念願のSlouchが解禁となる。

Slouchが解禁されれば、困ったらSlouch連打で何とかなることもあり、軌道に乗り始める。信仰値がMAXに到達し、Step From Timeを使えるようになれば、99%勝ちの状態に入ったといっても過言ではない。
大体Lairを制圧し終わる頃には信仰値がMAXになっているので、Lair制圧でDCSSが事実上終わるというわけだ。
ラスボスはDeath Yakあたりだろうか。

5. ゆっくり信仰の中盤&終盤
信仰値MAXから文字通りの無双を始める。
パッシブのステータス上昇によって重鎧の上から回避を機能させるのが容易なので、敵からまともにダメージをくらわない。飛来物阻止(重鎧の上から唱えられる!)をかけておけば遠距離もち相手に歩いて距離を詰める舐めプすら可能。囲まれても適当に斧を振り回していれば万事解決、ピンチになったらac連打するかadで時間から離脱するだけの簡単な作業。

ゆっくり信仰は、パッシブのステータス上昇を活かすことで気軽に歩いてもほとんど死ななくなる。得られる恩恵を活かすことで、受ける制約その一を事実上骨抜きにできるのだ。
(制約その二 加速できない はどうあがいても無効化できないので諦めるしかない)

ここで注意が必要なのは、「ほとんど」という点。残念なことに、気軽に歩いたら死ぬ場合もある。
だが、死ぬケースは3ルーンではごく少数なので、そこは祈祷か、破格のステータスブーストで得た自前の手札で対処すれば何の問題もない(15ルーンだと気軽に歩いたら死ぬケースが増えるので、自前の手札が不足していると祈祷に頼らざるを得ない局面が多くなって辛くなる)。

重要なのは、今歩いていい局面かどうかを見極められるようになること。
見極められるようになれば、最初に思っていたよりもゆっくり信仰はずっと気軽に歩けるという真実に気づくことだろう。

6. ゆっくり信仰に向いている種族とは
まず向いていない種族から挙げる。セントール、スプリガン、猫。こいつらは常時俊足を前提とした動きをする種族なので、ゆっくりとの相性は悪い。

逆に言うと、常時俊足を前提としない種族であれば基本的に何でもいけるはず。
敢えて挙げるならば、最近追加された種族であるアリとの相性が抜群。

アリはスキル適性が優秀であるのみならず、両手武器と盾の両立が可能であるといったクレイジーな特性を付与されている。
代わりに、常時停滞のため加速できないし、テレポや瞬間移動で逃げられないのが難点。
アリで安定して勝とうと思うならば、常時停滞をカバーする(=緊急時に祈祷で逃げられる)信仰にする必要があるのだが、その中でクレイジーなパッシブを与えてくれる(=平常時でも神の加護が機能する)のはゆっくり様だけというわけだ。

アリほどゆっくり様との相性がいい種族は他にはいないだろう。一番のオススメ。



変愚蛮怒東方勝手版雑感

今回は Roguelike Advent Calendar 2014 - Adventar

の記事です。

皆さんお馴染みの変愚蛮怒というローグライクゲームのヴァリアントである東方勝手版の雑感を記したものです。

 

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最近変愚の勝手版が流行っているので、自分も流行に乗ってプレイしてみた。
最初は、自分は東方を知らないのに勝手版をプレイできるのか? と疑問視していたが、
特別問題はなくプレイできた。
変愚本家だってアンバーの王族や指輪物語を知らなくてもプレイできるのだから、東方を知らなくても問題はない。
その結果、定番の強職戦士でさくっと*勝利*(http://www.miyamasa.net/upload/upload.cgi?get=00022)できたので、とりあえず雑感程度の知識は書けることになった。

この記事は、変愚プレイヤーを対象に、東方勝手版が変愚本家とどう変わったかを記すものである。
といってもプレイ始めたばかりの自分にはわからないことが多いので、あまり多くは書けない。

1. 変更点
変愚本家からの変更点は数え切れない。その中でも今回わかったことだけをかいつまんで記してみる。

・種族・職業に大きな梃入れ、ユニーククラスなども追加
未知の職業が増えて楽しい。既知の職業でも仕様が大幅に変更されていたりする。
ユニーククラス(大量に存在し、更新の度追加されている)はひとまず置いといて、現在ある職業をリストアップしてみる。

変愚本家にあった職は以下の通り。ただ、仕様が大分変わっている職も多く、実質的には新職とみなすほうが正しいかもしれないが、
変愚プレイヤーにはこの説明がわかりやすいだろう。
  近接脳筋:戦士、古道具屋(鍛冶師)、騎兵、剣術家、守護者(パラディン)、
  遠距離脳筋:射手(アーチャー) 
  魔法職:メイジ、ハイ=メイジ
  デュアル職:巫女(プリースト)、探検家(盗賊)、レンジャー、超能力者、メイド(混沌の戦士)、教師(魔法戦士)、司書(赤魔)

変愚本家にはなかった職は以下の通り。
  魔法剣士、修験者、付喪神使い、エンジニア、宝飾師、普通の住人

・魔法領域に大きな変更、種族に魔法領域への適正あり
全部で魔法領域は12あるのだが、魔術、仙術、妖術の3つの大領域に分かれている。
 「元素」「予見」「付与」「召喚」の魔術、
 「神秘」「生命」「破邪」「自然」の仙術、
 「変容」「暗黒」「死霊」「混沌」の妖術
といった感じだ。
まだ魔法を使ったビルドはプレイしていないのでなんともいえないのだが、
ウィザードモードでちょっとのぞいてみた感じ、見たことある名前の領域の魔法も大分変わっている。
魔法領域全般として強化の方向のようなので、司書(赤魔)、教師(魔法戦士)が本家と比べて大分強くなっているはずだ。

この12領域の中で特に興味を引かれるのは変容領域。
変愚本家に相当するものがない領域だからだ。
この領域は変愚本家の変異術(悪魔・魔王変化、吸血鬼変化)というよりは、
crawlの変異術に相当する領域で、刃の手とかドラゴン変化とかで変身して素手殴りができたりブレスが吐けるようになる。
他にも変容領域は二冊目でドア生成(周囲の床8マスをドアにする)が使えたりしてかなり強いと思われる。

また、職業だけでなく各種族に個別の魔法領域への適正が設定されているといった点も面白いところだと思う。

・弓枠の廃止
変愚本家では弓枠が設定されており、近接と遠距離を無理なく両立することができたが、
勝手版では弓枠がなくなっている(代わりにリボン枠ができた)。
ではどこに弓を装備するかというと、右手か左手に持つしかない。
したがって、弓を使う場合、弓だけ、近接武器+弓、弓+盾のどれかのパターンで装備を組むことになる。
両手で弓を持てる場合は射撃回数をフルに生かせるが、片手に近接武器や盾をもった場合弓の射撃回数が減る。
この変更でレンジャーや騎兵が本家より弱体化しているといえるかもしれない(しかもレンジャーは魔法を自然領域しか使えなくなっている)。まあそれでも十分すぎる程強いんだが。

・両手持ち・盾などの仕様変更
本家でもそれなりに強かった両手持ちであるが、勝手版ではかなり強くなっている。
ダメージの腕力ボーナスアップ、攻撃回数+1がかなり強い。
この仕様変更のおかげで、射撃が上手い戦士でも、
敢えて弓を持たずに両手持ちで近接火力をさらに上げていく戦略が可能となった。
また、盾を装備していると殴ったときにたまに盾殴りで敵が朦朧状態になるので、両手持ちも弓も使わずに盾をもつ戦略もある。
両手持ち/弓/盾/二刀流がいい感じのバランスに変更されている。

・死にステータスが少なくなっている
たとえば、本家では魔法を使う職は知能か賢さかのどちらか一方を使っていたが、
勝手版では知能が魔法の失率、賢さが最大MPに関係するので、どちらも必要なステータスになっている……といったように、
本家と比較してステータスの重要性があがっている。
特に序盤などはステータスがカッツカッツで非常に辛い(重種族が相対強化といえる)。
近接職でも、序盤は耐久より腕力や器用を優先して伸ばした方がいいかもしれないくらい。

代わりに、職業・種族・性格・装備による補正を除くステータスの最大値が一律30で固定されたので、新生の薬を飲む必要性が本家より薄くなったのは有難い。

・新ユニークの追加、既知ユニークの強化
色々よくわからないユニークが増えている。たまにランダムユニークとかも出てくる。
既知ユニークも全体的に強化の方向で、舐めてかかると痛い目にあう。
ユニークが視界外隣接テレポートなる魔法を使うようになったりしているので、より注意してプレイしないとあっさりHPがマイナスに突入する。
あと、ストームブリンガー(永遠の呪いつきになったがさらに強化された)を手に入れるためには、エルリック(接近戦ではストブリで攻撃し、遠距離からは地獄球や暗黒の嵐、救援召喚で攻撃してくる)を倒さないといけなくなった点が近接職のハードルを上げている、と個人的には思っている。

・新耐性/属性の追加
新しい属性攻撃が増え、全体的に死に耐性がなくなっている(水、轟音、時空、狂気耐性くらいだと思う)と感じている。
たとえば本家で空気耐性の筆頭であった閃光耐性は、勝手版では必須耐性となった。
劣化攻撃もちも本家より増えている(何と劣化ハウンドがいる!)ので、より一層の注意が必要となった。
また、破邪属性が追加されており、これもオベロン戦までに確保したい必須耐性なのであるが、かなりレアで確保が難しい。
破邪弱点がつく種族は、終盤の耐性パズルに悩むことになるだろう。

一方で因果混乱耐性が削除(代わりに時空耐性で防ぐようになった)され、低層で因果混乱ブレスを吐くモンスターは因果混乱ブレスを吐かなくなったという、地味にプレイヤーに優しい変更もある。

・反攻や竜窟がかなり遠くなった
かなり遠くなったので、階段昇降スカムをやる気にならなくなった。
往復だけでかなり時間をとられるのは疑いの余地がないので、真面目に鉄獄を潜った方が効率はよいだろう。

・中盤以降のゲーム進行の速さ
ダンジョンに落ちている素材や魔法書をMARIPOなるポイントに変換できたり、
アイテム交換会に出せたりするので、
耐性が足りないとか*破壊*の杖がないとかでゲームが進まないというときは、
アイテム交換などを利用すると解決することもある。

また、新しく追加されたクエストの中には、スピードの指輪をもらえるものもあり、
全体的にゲームの進行は序盤を除いて速くなっている。
エゴが豊富になったりアーティファクトの性能が上がったりしているのも嬉しい。

・*勝利*するのに混沌のサーペントを倒さなくてよい
なんとラスボスがオベロンになっている。
このおかげで近接職でも、とりあえず*勝利*するくらいは簡単にできることになった。
しかもオベロンは魔力の嵐を使わなくなっているので、運悪く連続行動されても死ぬ確率は本家より極めて低くなっているという親切設計。

代わりに頻繁に閃光や破邪攻撃、ロケットを撃ってくるので以前より耐性が重要になったのと、HPが2倍になっている。まあ妥当な変更だと思う。
ちなみに混沌のサーペント自体は、オベロンを倒した後、混沌の領域なるダンジョンを127Fまで降りればあうことができる。
遠距離が強めのビルドなら楽に倒せるだろうし、近接でも力試しで挑むのも悪くない。混沌のサーペントを倒せば、真*勝利*達成である。


2. 今回の*勝利*記録
本家では未*勝利*の戦士であるが、勝手版ではラスボスがオベロンに変更されている点もあり、楽に*勝利*することができた。

かなり早い段階で以下の吸血つきのランダムアーティファクトをツモれた点が非常に美味しかった。やはり近接職は吸血武器を確保できないと厳しい点は本家と変わらない。
   ☆グレート・ソード『猛狼』 (3d6) (+10,+10) (+2攻撃) {+攻|吸/人秩}
ダイスや殺戮修正こそ控えめなものの、+2攻撃がついていたので非常に火力がある。
両手持ちによる+1攻撃、戦士の攻撃回数補正(ただでさえ1回最大攻撃回数が多いのに、Lv40でさらに攻撃回数+1される)、他の部位の殺戮修正もあり、かなりの高火力を手に入れることができた。
10回殴りで、表示TD810って、本家なら余裕でサーペント潰せるスペック。

また、種族の妖狐も、経験値ペナ+70%に見合う強さを見せた。
レイシャルの敵感知や魔道具能力の高さが戦士の欠点を補うのみならず、Lv40でテレパシーがつく。
自前のr乱沌も美味しいし、Lv45で終盤ネックになる破邪耐性がつく点も強い。
噛み合いすぎてめっちゃ強かった(種族の耐性と装備の耐性が重複しないパズルを組めたのが嬉しい)。
とりあえず勝手版をプレイしたいという人にはオススメの組み合わせ。

備忘録 DCSS 脱出記録一覧

今のところ22回脱出していたみたい。整理してみると大体こんな感じ。

 

1.信仰

Cheibriados 5回  Ashenzari 3回 Kikubaaqudgha 3回

Nemelex 2回(弱体化前の0.14で)

Trog 2回

Vehumet,  Sif Muna, Lugonu, Qazlal, Gozag, Makhleb, Elyvilon 1回ずつ

ゲーム壊すほど強い神のプレイ回数が多いあたり、何とも偏ったプレイスタイルが見て取れる。

こんだけプレイしておいて、定番のOkawaru信仰の脱出記録が存在していないことに笑わざるを得ない。というかまともにOkawaruプレイしてすらいない真実。

Okawaruも祈祷を見た感じ大概な強さしてるのになぜか選ばれない。

他にゲーム壊しまくってる神様がいるから仕方ないか。

 

2. 種族

Gargoyle, Demonspawn, Naga, High Elf, Vampire, Spriggan 2回ずつ

Human, Hill Orc, Deep Dwarf, Deep Elf, Centaur, Vine Stalker, Merfolk, Kobold, Halfling, Black Draconian 1回ずつ

これは未脱出の種族を挙げたほうがわかりやすいか。大体まともな種族はほぼ脱出し終わって、難種族ばかり手付かずなのが現状。タコとかネコとかトロルとかそんなのばっか残ってる。

 

3. ビルド

大体自分のプレイスタイルだと、魔法戦士タイプの無難なデュアルを作ることが多い。

Chei5回,Ashenzari2回,Qazlal1回の計8回は紛れもなく魔法戦士タイプ。この信仰見たらダンプ漁らなくても大体そうだとわかる。

(Ashenzariの残り1回はスプリガンの妖術/呪術/暗殺三元ビルド)

あとVehumetの1回も妖術寄りの構築はしたものの、自力でも殴れるハイエルフ片手槍使いだったので、これも魔法戦士タイプ。

あと魔法戦士タイプは、Nemelexの1回とKikubaaqudghaの1回。

計11回が魔法戦士タイプ、つまり脱出記録の半分が魔法戦士・・・なんてこった。

 

魔法戦士とくれば、当然残りは純戦士と純術(と暗殺)、となるわけだが。

純戦士は、定番のDeep Dwarf Makhlebの1回(といっても死霊スタートで魔法使ってるから純戦士とはいえない)を除けば、Kobold, Halfling,Vine StalkerのTrog暗殺ビルドばっかりプレイしてたりする(なおKoboldは途中で棄教してLugonuにいった)。

・・・全然まともな脳筋(シンプルな重戦士のこと)プレイしてねえ!

しかもTrogばっかでOkawaruがどこにもねえ!

唯一それっぽい脳筋といえばCentaur Hunterだけど、Okawaru信仰じゃなくて0.14のクソベー脱出だったので、これも到底まともな脳筋とはいえまい。

Hill Orc Elyvilonの脱出記録もあるけど、こんなすべてを洗脳していく恐ろしいキャラを、まともな脳筋とはいえまい・・・・・・。

 

最後は純術だが、Deep ElfやVampireのKiku信仰による死霊ルート(Vampireの場合は暗殺も意識)や、Vampire SummonerスタートSif信仰の純召喚ルートがそれにあたる。

あとSprigganの妖術/呪術/暗殺三元ビルド。

純術は割と普通なビルドが多かったですね。特に注目すべき点はないかもしれない。

 

4. 未脱出の信仰

trunkで新しく出来た神を除けば、Okawaru, Beogh, Fedhas, The Shining One, Zin, Dithmenos, Yredelemnul, Xom, Jiyva。

あとNemelexも仕様変わりまくったので、これも未脱出扱いにしておくべきだろう。

0.15 Nemelexは全くわからない。

 

この中でTSOとZinは15ルーンで乗り換える神様だから除外するとして、他はOkawaru. Beogh, Yredelemnulあたりは割りと楽に脱出できそうだ。

というかマジで何でOkawaru残ってるの感。

まあYredelemnulは全盛期に比べると大分弱体化しているが・・・・・・。

Fedhasはどうも強いらしいのだがあまりよくわかっていない。

Jiyvaはそもそも信仰するのが難しい。

Dithmenosはそのうちナーガあたりでやってみたい気がする。

 

 

 

DCSS 暗殺ビルドを例に改めて"デュアル"の存在意義を考えてみる-(2)

 前回の記事の続き。タイトルと真逆で、デュアルの存在意義の考察というより暗殺ビルドの存在意義の考察になってしまっている気がしないでもないが、あまり深いことは気にしないでおこう。

 

1. 前回の記事のまとめ:目的としてではなく、手段としての暗殺

 前回は暗殺の強さと暗殺ビルドの弱点を解説した。強さとは、暗殺が決まれば、群れがいようと強敵がいようと問答無用で封殺できる点。弱点は、暗殺特化の構築をした場合、暗殺できない状況(必ず起こる)に対する解決策が存在しなくなってしまう点である。

 この弱点を解消するため、暗殺ビルドは暗殺特化の構築をせずに(speedrunなら運ゲー上等でそういう構築をするだろうが)、暗殺以外の手札を持つ構築をすることになる。そういった構築の結果として、「暗殺以外の確実な手段が必要となるのであれば、暗殺は無意味なのではないか?」という疑問が生じるのは必然といえる。

 

 だが、この疑問は、「暗殺ありき」で思考した結果生じる疑問に過ぎない。

 暗殺は、目的ではなく、手段である。

 

 純戦士や純術師のような専門に特化した手段しかもたないビルドに対し、専門には特化しない代わりに幅広い手札をもつビルドを、"デュアル"と呼称することにするが、

デュアルがもつ手札の一つとして暗殺をとらえる。

 

 すなわち、暗殺を目的としてみるのではなく、手段としてとらえる。この思考転換により、先の疑問に答えるのはいとも簡単になる。これが答えだ。

 「効く敵を封殺できるのが暗殺なんだから弱いわけがない。効かない敵や効きにくい敵相手にコソコソ暗殺しようとして苦労するのが悪いだけだ」

 「デュアルの思想を前提に置けば、暗殺を手札にもつことは決して無意味ではない。問題は、そういうスキル構築が合理解たりうるかどうか、という点にある」

 

2. 暗殺ビルドの定義

 前回の記事では暗殺ビルドに定義を与えなかった。以降の記事で様々な暗殺ビルドを解説・考察することになるので、そのビルドに共通する思想として暗殺ビルドを定義しておこう。

 以降の記事では、「暗殺を手札の一つとして所持することが、最適解とまでは言わなくとも合理解として納得できるビルド」を解説する。

 極力暗殺にこだわるビルドについては解説しない。そういうビルドでは脱出したことがないので、解説できない。

 

3. 暗殺ビルドの典型的なスキル構築例

 このゲームはスキル制のゲームなので、具体的にどうスキルを構築するのかが重要だ。前回の記事ではSpriggan Enchanterという極めて一般的なビルドを例に暗殺ビルドを解説したので、ここでもSpriggan Enchanterのスキル構築を例に解説してみる。SpEnの暗殺に該当するスキルは大雑把に言って以下の通りだ。

 ---短剣スキル、隠密スキル、Hexスキル

 暗殺ビルドでは、隠密を上げて極力敵に気づかれないように探索するのが前提であり、隠密を上げるのは当然のことだ。短剣で攻撃するのだから短剣スキルを上げるのも当然のこと。また、この2スキルはスタブ発生率やスタブ倍率にも関わるので、暗殺ビルドを名乗る必要条件としてはこの2スキルが挙げられる。

 次にHexスキルだが、Hex領域には敵を状態異常にしたり自分を透明状態にする魔法が存在するので、魔法を使って暗殺するSpEnでは非常に重要なスキルである。

 だが、敵を状態異常にする魔法はHex領域以外にも存在するし、透明化は装備の発動でも行えるので、あらゆる暗殺ビルドでHexが重要な領域であるとは到底言えない。さらに言えば、暗殺をする上で必ずしも魔法は必要ではない。魔法を使わないTrog信者でも暗殺はできる(今回解説するのはTrog暗殺)。

 さらに注意事項。暗殺ビルドの必要条件として短剣、隠密の両スキルが挙げられ、SpEnの魔法暗殺ビルドの必要条件としてこの2スキルに加えHexが挙げられることを上で述べたが、この条件はあくまで「必要条件」であって「十分条件」ではない。プレイヤー側に「暗殺を手札にもちたい」という意識がなければ、そのSprigganは「暗殺を手札にもっているがまともにその手札を切らない」ビルドである。上で説明した暗殺ビルドの定義に基づけばこのSprigganも暗殺ビルドに該当するのだが、正直これを暗殺ビルドと呼称するのは違和感がある。暗殺ビルドの定義を少し見直すべきなのかもしれない。

 ちなみに、まともに暗殺しないSpEnは、スキルは一見「暗殺をサブウェポンにもつ妖術師」のように見えるのだが、実際は「隠密スキルによって快適な探索を送りつつ、短剣スキル/呪術スキルをサブウェポンにもつ妖術師」といったところである。このプレイスタイルについてはそのうち解説したい。

 

4. 脳筋Trog暗殺について

 今回解説する暗殺ビルドは、「脳筋暗殺」とよばれるジャンルだ。「暗殺というサブウェポンを得た脳筋」といったところで、Kobold Berserkerあたりが典型例となる。

 暗殺ビルドの中で最も方向性がわかりやすいのが脳筋Trog暗殺であり、これから暗殺ビルドを初めてやってみたいという人には強くTrog暗殺ビルドを推奨したい。

 方向性は極めて単純である。隠密にスキルを振り、隠密を機能させるために鎧のランクを通常の重戦士より多少落とす。起きている敵がいればそのまま殴り、寝ている敵がいれば華麗にスタブを決めていくスタイルである。

 この程度であれば通常の重戦士Trog信仰をやればいいんじゃないの、と思うかもしれないが、透明化を発動できる装備が手に入ると事情があっさり変わる。透明化は効く敵にはただただ強い。霊視抜けの人権を否定するのが透明化であり、うっかり坑道で出会ったSaint Rokaすら封殺できる程の力がある。

 また、ダンジョンにたまに落ちている網(throwing net)というアイテムも暗殺ビルドでは重要だ。網にかかった敵はスタブの標的となるのだが、そのダメージ倍率は睡眠/麻痺スタブに次ぐ高レートである。霊視もちの強ユニークだろうが太古のリッチだろうが、網さえあれば楽勝だ。通常の重戦士には味わえない特権を、多少の装甲の脆さと引き換えに堪能できるのがTrog暗殺ビルドというわけだ。Trog暗殺はシンプルでわかりやすく、暗殺ビルド初心者に最もオススメのビルドといえる。

 

5. 脳筋Trog暗殺の種族選択

 上でも書いたが、Kobold Berserkerが典型例。短剣スタートは火力が貧弱で真正面からの殴り合いはなかなか大変なのだが、Koboldはデフォで悪食がついているためTrogの祈祷Berserkが使いやすい。そのため短剣の貧相な殴り火力を補いやすいというわけだ。

 だが、個人的にはKoBeよりHalfling Berserkerをオススメする。

 Halflingは悪食がついているわけではないので、Koboldほど気楽にBerserkできるわけではなく、低層性能はKoboldの方が高いのは確かだ。

 だが、序盤を過ぎればなかなか気楽にBerserkを使えなくなり、短剣一本の進行が辛くなって来る。ところがHalflingは長剣にゼロベースの適性を持つため、基本は長剣戦士として振る舞い、短剣を暗殺用のサブウェポンとして運用していくスタイルが可能となる。非常に安定感が高いのでオススメだ(ちなみに、Koboldの場合、短剣以外で不得手でない武器は鞭だが、まともに使える鞭が手に入るのは終盤になる)。

 また、KoboldとHalflingでは防御適正が大分違う。特にHPが全然違う。最終的にはKoBeよりもHaBeの方が安定すると思われる。

DCSS 暗殺ビルドを例に改めて"デュアル"の意義を考えてみる-(1)

 最近変愚はプレイせずにDCSSばかりプレイしています。

 日本鯖(http://lazy-life.ddo.jp:8080/#lobby)が出来たので、ラグが酷い海外鯖から離れて日本鯖で色々遊んでました。おかげで一回あたりのプレイ時間が短くなって快適。

 

 この記事では、タイトルにも書いたように、暗殺ビルドの構築を例に、改めてDCSSにおける"デュアル"ビルドとは何なのか、どういう意義があり、どう構築するのか、といったことを整理していきたい。長文になると思われるので、分割して記事を書くことにする。

 

1.DCSSにおける暗殺システム

 まず暗殺ビルドとは何だろうか。暗殺ビルド自体の定義については、次回の記事で与えることにしたい。今回定義を書かないのは、定義を考える前にまず、DCSSにおいて"暗殺"という敵の倒し方がシステム上どのように扱われているかを知る必要があるからだ。DCSSにおける"暗殺"のシステムは以下のようになっている。

 

 ・大前提として、隠密が高いと、敵が寝たままであったり、起きていても@に気づかなかったりすることがある。また、敵が霊視を持っていない状態で@が透明状態であるとき、敵が起きる確率が劇的に下がる

 ・上記の睡眠、気づかない、がわかりやすい例であるが、他にも混乱、麻痺、網にかかっている、盲目、石化、恐慌といった状態異常に敵が陥っている場合、あるいは@が透明状態でありかつ敵が霊視を持っていない場合(敵が起きてしまった場合も含めて)、について考えてみる

 ・状態異常の敵を攻撃すると、ある確率(@のスキル、ステータスや敵の状態異常の種類に依存)で"stab"といわれる一撃が発生する。計算式上、隠密スキルが皆無でもスタブが発生することは十分にあり得るが、その場合ダメージは通常と見た目ほとんど変わらないので、通常なかったことにされる

 ・stabが決まると、@のスキル、武器の種類、および敵の状態異常の種類に応じて、ダメージに倍率がかかる。ここでのスキルは、@の武器スキルと隠密スキルの平均。

 ・武器のカテゴリーとして、一番倍率が高いのは短剣。しかも倍率計算の前に、スキルに応じたダメージ固定値ボーナス(すごくでかい)がもらえる。短剣の中でも特にダガーが固定値ボーナスが高く、十分スキルが育っていれば、寝ている敵はダガーで即死するレベル

 ・短剣の次に、長剣/片手槍/棍棒(笑)/猫パンチ(笑)が倍率が高い。他のカテゴリーの武器も一応倍率があるが、普通にプレイするレベルでは気づけない程度のものなので、なかったことにされる

 

 以上が、DCSSにおける暗殺システムの基本的な説明である。上の説明ではいいことばかり書いたので、実に強そうに見える。決まれば即死なので弱いわけがない、この説明を読めば誰もがそう思うだろう。

 というわけで、暗殺者で強敵をバリバリ即死させていこう! という動機で"暗殺者"なる職でスタートすると、実に後悔することになる。

 

2.開始職としての「暗殺者」

 このゲームにおける職、Classというのは、ゲーム開始時の初期条件でしかなく、今後のゲーム展開がそれに縛られるものではない、ということは、以前の記事で繰り返し述べた。戦士スタートで魔法を使ってもよいし、魔術師スタートで斧を振るってもよい。職業よりはむしろ種族が今後のゲーム展開を少し縛ることになる。

 DCSSの「暗殺者」"Assasin"なる職は、少々の短剣スキル・隠密スキルと吹き矢をもってスタートするのだが、これでバリバリ強敵を暗殺していけるかというと、現実はそうではない。

 当たり前のことだが、寝ている敵は起きる。寝ている敵に忍び寄った、ダガーで刺そうとしたら起きた、ダガーは暗殺性能は高くても真っ正面から倒す能力は高くない、さあどうしよう、困った、詰んだ、なんてことは日常茶飯事である。中途半端な隠密では敵が起きないわけがないし、隠密がすごく高くなっても、敵は平然と起きる。ある信仰で隠密を極めれば、敵はほとんど起きなくなるのではないかということは予想されるが、それでも起きるときは起きるし、そもそも極めるまでの間敵が起きたらどう暗殺すればいいの、となってしまう。

 この理由から、暗殺ビルドをやろうとするとき、「暗殺者」なる職でスタートすることはあまりない(追記:次の記事でこれに反することを書く)。むしろ「呪術師」のように、魔法書をもってスタートすることが多い。

 

3.魔法書スタートによる暗殺

 敵が起きたらどうするの問題を解決するため、まじめに暗殺ビルドをプレイする場合は、魔法書をもってスタートすることが多い。「呪術師」"Enchanter"スタートが一般的なので、どういう魔法が載せられているか書いてみる( 0.15 trunk )。

 ・魔法の眠り、混乱、目潰しスプレー、隷属

 見てわかる通り、Hexと称するデバフ領域の魔法が載せられている。敵が起きたら、デバフで敵を状態異常にし、それから暗殺する、という流れである。

 「暗殺者」スタートよりも遥かに暗殺が出来る、ということは一目瞭然だ。だが、「呪術師」も決して万能ではなく、ゲームの進行とともにいずれは壁にぶち当たることになる。

 

4."暗殺一本"は原理的に不可能

 何が問題かというと、敵を状態異常にかける行為は露骨に確率が絡む行動であり、時にはその確率が0しか存在しない、という事実である。

 「暗殺者」スタートでは、暗殺を支える手段は何もなかった。「呪術師」スタートでは、暗殺を支える手段(ただし確率が絡む)はある。

 Sprigganのように極端に足が速い種族であれば、逃げまわりながら通るまでデバフを撃てばよいだけの話なので、確率が絡むことはあまり気にはならない。だが、状態異常にできる確率が0の場合は、はっきり言ってどうしようもない。

 要するに、"暗殺一本"のゲーム進行は原理的に不可能であり、暗殺ビルドを成功させるためには、暗殺ではなく、通常の確実な攻撃手段が必要になるという倒錯現象が起きてしまう。

 結局普通の攻撃手段が必要とされるのであれば、暗殺ビルドは必要ないのではないか、といった極端な疑問まで出てきてしまう。

 

5."暗殺ビルド"は必然的にデュアル化せざるを得ない

 上記説明の通り、暗殺ビルドは必ず暗殺以外の攻撃手段が必要とされる。これは一見、暗殺ビルドの特異性を表しているように見える。他のビルドと比較してみよう。

 純戦士とよばれるビルドでは、普通近接武器一種類のみでゲームをクリアできる。弓などの遠距離武器や発動アイテムを使うこともあるだろうが、それでも使用するスキルは少ない。

 純術師といわれるビルドでは、通常近接武器は鍛えない。妖術師か、召喚師か、死霊使いかという分類により使うスキルに違いはあるものの、魔法一本でゲームをクリアできる。

 一方、暗殺ビルドでは、暗殺一本ではゲームをクリアできない。必ず暗殺以外の手段が必要となる。

 ところで、何か一つに特化するのではなく、様々な手段をもつビルドは、「デュアル」"hybrid"と称される。よくよく考えれば、暗殺ビルドというのは、デュアルそのものだ。

 

6.専門に特化しない「デュアル」の意義

 以前の記事でも述べたことであるが、デュアルの存在意義は、ひとえにその対応力にある。特化した純戦士や純術師は当然強い。だが、苦手とする敵/分野は必ず存在する。純戦士は搦め手を駆使してくる上位術師などが大の苦手であるし、純術師はMP管理に常に気を使わなければならない。例えば幽霊蛾が純術師の天敵であることは、純術師、特に純召喚師をプレイすればすぐにわかることだ。

 そこで、純戦士と純術師のいいところを取り入れ、自前の対応力を拡大しよう、というのがデュアルの基本的な考え方であり、存在意義だといえる。

 暗殺ビルドにおける、「暗殺はしつつも、暗殺できない敵に対する対応力もつけておこう」という考えは、デュアルの思想そのものといっても過言ではない。

 

7.サブウェポンとしての暗殺

 ただ、「暗殺は強いが、暗殺できない敵もいるからその対応を考える」だと、少し考えとしては堅苦しいかもしれない。暗殺できない敵に対する対応手段が上手く見つからなかった場合、ゲーム進行が詰んでしまう。

 だから、ここで発想を逆転してみよう。このように。

 ・純戦士は強いが、真面目に殴り合うのはしんどいときもある、サブウェポンとして暗殺スキルを育ててみようか(注:追記参照)?

 ・純術師は強いが、真面目にMP消費を連発するのはしんどいときもある、サブウェポンとして暗殺スキルを育ててみようか?

 

 要するに、暗殺をメインウェポンとする@に確実な攻撃手段をもたせる、と考えるのではなく、確実な攻撃手段を既にもっている@にサブウェポンとして暗殺をもたせる、と思考を逆転させてみるのである。

 

 次の記事では具体的な暗殺ビルドを書いていくが、「サブウェポンとして暗殺をもっている」という視点から考えを書いていきたい。

 

*追記

 次回の記事で詳しく書くが、純戦士にサブで暗殺をもたせるという視点では、Assasinスタートは悪くない選択肢なのである。いや、むしろ大多数の種族においては、呪術師スタートよりも汎用性が高く動かしやすいとさえいえる。

 ただ、脳筋暗殺をやるならBerserkerスタート、魔法暗殺をやるならVenom Mageスタートがほぼ完全な上位互換となってしまうのが問題であり、相対的に見れば弱い。だが、絶対的な視点で評価するならば、Assasinスタートは決して弱くはない。

変愚 キタナイ忍者で*勝利*

ついさっきサーペントやってきました。ダンプはこちら。

http://moon.kmc.gr.jp/hengband/hengscore/showdump.cgi?67776

 

忍者は強い、キタナイなどと言われており、実際数々の忍術が強力で、その通りなんだろうとは思います。

が、自分はあまり忍者のポテンシャルをあまり活用できなかったように思います。

実際、普段の探索からよく使った忍術は、分身と壁抜けくらいなもので、

他の忍術は全くといっていいほど使いませんでした。

そして、一撃離脱とか使わないとユニーク倒せない、ならユニーク倒さなきゃいいじゃん、っていういつものユニーク放置な流れ。

近接で火力足りるか不安、なら楔投げればいいじゃん、でオベロン撃破。

速駆け+変わり身+分身+入身+一撃離脱の黄金パターンを実践したのは、J戦だけでした(多分)。

 

そして、忍者のJ戦、この黄金パターンでJを封殺するのはかなり面倒くさかったんですが、

よく考えてみたら、普通の職の近接J戦なんてもっと糞めんどいんですよね。

Jからダメージくらいまくるし能力は減らされるし、召喚モンスターの対処もしないといけないし。

忍者の場合、分身+変わり身のおかげでかなり被ダメを減らせ、召喚モンスターの視界に入っても、超隠密のせいで気づかれない始末。

キタナイ(確信)。

 

さて、分身のチートっぷりを堪能できたことだし、次は鏡使いでメイジ入門でもやるかな。

お題間に合わせるのは正直しんどいし。

変愚 曲がり角地形のLOSトリックの原理

 

溜まり場のプレイ日記スレでLOSトリックが話題に挙がっていた。

自分はメイジ職はスペマスしか*勝利*記録がなく、

また遠距離職の典型でもあるレンジャーでも、

射撃メインでなくストブリメインの殴りレンジャー(最後だけ射撃シフト)で*勝利*したので、LOSトリックとはあまり縁がない変愚人生を送ってきたわけである。

これではいけないと思い、少しLOSトリックの勉強でもしようかと考え、特定の例についてまとめてみた。

例に出すのは、LOSトリックが使える典型的な曲がり角地形。

というかこれ以外わからないともいう。

 

LOSトリックとは、簡単に視界外攻撃のこと、といってよいはずだが、

変愚の視界は若干特殊仕様なのかもしれない、と最近思い始めた。

最近自分はDCSSをよくプレイしているのだが、DCSSでは@も敵も視界が共有されている。

したがって、基本的に、@から敵に対して視線が通るのであれば、敵から@に対する視線も通っている。

ところが、後述するように、変愚では@と敵の射線が同一ではない

「@が視界外にいる敵を攻撃する(その敵は@に対する射線を通していない)」状況だけでなく、

「@が視界内の敵を攻撃する(その敵は@に対する射線を通していない)」という状況も存在する。

この一見複雑で混乱しかねない事実により、初見でLOSトリックを理解するのは難しいように思える。

 

(1) そもそも視界、視線とは? そして射線との違いは?

先ほどから視界だの視線だのという言葉を使ってきているが、これの意味するところは何か。

これは、「魔法や矢の軌跡を表示する」オプションをONにすることで意味がわかる。

*キーを押してある場所Xをターゲットしようとしてみて、その行為が「直接」可能であるならば、

「@から場所Xに対する視線が通っている」、とこの記事ではよぶことにし、

@から直接ターゲットできる全ての位置を@の<<視界Ⅰ>>とこの記事ではよぶことにする。

 

ところで、この<<視界Ⅰ>>というのは、実際の@の視界、いわゆるプレイヤーの画面に映る視界とは厳密には同一ではない。たとえば、画面には映っているが、直接ターゲットできない位置というものが存在する。逆に、直接ターゲットできるが、画面には映っていない位置というものも存在する。ややこしいが、後者の視界の違いが発生する原因の一つとしては、光源の問題が存在する。真っ暗な場所は画面には当然映らないが、だからといってすべての真っ暗な場所が直接ターゲットできないかというと、そんなことはない。他にも原因はあるかもしれないが、ややこしいのでその話は一旦置いておこう。

 

この2つの視界を区別して話したいので、画面上の視界のことを、以後<<視界Ⅱ>>とよぶことにする。

 

この2つの視界が異なる例を以下に挙げる。いわゆる大桂馬の位置関係である。

 

壁壁壁壁壁

@床床床壁

壁壁壁D壁

   壁床壁

 

理由は後述するが、この大桂馬の位置関係では、@は位置Dを直接ターゲットできない。

が、半径3マスの光源を装備していれば、位置Dは画面には映っている。

すなわち、位置Dは@の<<視界Ⅰ>>ではないが、<<視界Ⅱ>>(もちろん光源半径3という条件はつく)であるということができる。

 

話を戻そう。

@が場所Xを直接ターゲットすることが不可能であっても、

別の場所Yを直接ターゲットする過程において、その軌跡がXを通っていたならば、

「@から場所Xに対する射線が通っている」と定義される

(もちろん、Xが直接ターゲット可能な場所でも、Xに対する射線は通っている)。

要するに、@にとっては、視線が通る範囲である<<視界Ⅰ>>よりも、射線が通る範囲の方が広い

先の大桂馬の位置関係の例で説明すると、位置Dは@の<<視界Ⅰ>>ではないが、<<視界Ⅱ>>であり、かつ@の射線が通る範囲である。

 

 

(2) 縦2マスの世界のLOS

視線の確認をするために至極理想化された縦2マスの世界で説明してみる。

座標表示は、左上を(0,0)とし、右方向および下方向をそれぞれの座標軸の正の向きとして記述する。

まずこれから。

 

壁壁壁壁壁

@床床床壁

床床床D壁

壁壁壁壁壁

 

左上(0,1)に@がいて、右下(3,2)に敵Dがいると思って欲しい。

この場合障害物が何もないので、疑いの余地なくお互い視線が通っている。

@からDに視線を通したとき、その軌跡は (0,1)→(1,1)→(2,2)→(3,2)

敵からXに視線を通したとき、その軌跡は (3,2)→(2,2)→(1,1)→(0,1)  である。

わかりやすくて特に問題はないはずだ。わからなければ手元のゲームで確認してみてほしい。

 

では次、これはどうだろう。横の通路を1マス増やしてみた。

 

壁壁壁壁壁壁

@床床床床壁

床床床床D壁

壁壁壁壁壁壁

 

先ほどと同様に、左上(0,1)に@がいて、右下(4,2)に敵Dがいる。

障害物が何もなくお互い視線が通っているのは先ほどと同じなのだが、

実はその軌跡が違っている(!)のである。

@からXに視線を通したとき、その軌跡は (0,1)→(1,1)→(2,1)→(3,2)→(4,2) であるが、

Xから@に視線を通したとき、その軌跡は (4,2)→(3,2)→(2,2)→(1,1)→(0,1)  であり、

中央のx=2のところで差異が生じている。

視線の通し方、すなわち「直接」のターゲット法は一意であるため、

この中央のところに障害物を置いてみる(↓)と、一方の視線しか通らないというLOSトリックが生じるのである。

 

壁壁壁壁壁壁

@床床床床壁

床床壁床D壁

壁壁壁壁壁壁

 

上図では、左上の@から右下のDへの視線は通っているのだが、Dから@への視線は壁という障害物に遮断されている。

これが先に述べた、「@は<<視界Ⅰ>>内の敵をターゲットできるのだが、敵から@の位置は直接ターゲットできない」という謎の状況である。

ちなみに、この地形でライトエリアがなされていないとして、@が半径3マスの光源を装備しているとする。この場合、位置Dまで光が届かないので、位置Dの敵がぴかぴか光っていない限りは、位置Dは@の<<視界Ⅱ>>ではない。ただし、位置Dの敵がテレパシーで感知できているような状況では、位置Dにいる敵は@の視界内といっても、差し支えはなかろう。際限なく視界の定義を広げたくはないので、知覚範囲とでもよんだ方がいいだろうが。

 

この謎の状況のうち、もうちょっとわかりやすいのが↓。曲がり角でよく遭遇する場面である。

 

壁壁壁壁壁

床@床床壁

壁壁壁D壁

   壁床壁

 

上図において、点(1,1)に@が、点(3,2)に敵がいたとすると(いわゆる桂馬の位置関係)、

敵から@の位置は直接ターゲットできないのに、@から敵の位置は直接ターゲットできるのである。

@は視界外を攻撃しているわけではなく、あくまで<<視界Ⅰ>>内の敵を攻撃しているに過ぎないので、(半径3マスの光源を装備していれば、<<視界Ⅱ>>でもある)

これを視界外攻撃と呼ぶのは適切ではない。

わかりにくいのを承知で、LOSトリックとカタカナ英語混じりで呼ぶ以外にないだろう。

ちなみに、この視線の一致・不一致は、@と敵の座標差の偶奇で決まっている。

視線の確認をするときには是非頭に入れておいて欲しい。

特に次の(3)の理解に不可欠。

 

(3) 間接ターゲットによる視界外攻撃

先ほどは「@から敵への<<視界Ⅰ>>内攻撃、ただしLOSトリック」という謎の現象を説明したが、

今度は文字通りの視界外攻撃を説明する。

自明な視界外攻撃は、ボール魔法の爆風を利用すること

(DCSSでもFireballやFulminant Prismで可能、ただしVehumet信仰による射程ブーストは必要かもしれない)

だが、ボルト魔法による視界外攻撃を解説する。

こちらはかなり非自明で、かなり奇妙で、かなり謎な現象である。

そして、恐らくは、スペマス以外のメイジ職の基本的なLOS戦術に該当するのだろうと思われる(未プレイなので推量)。

是非同じ地形を自分でゲーム上で作って確認してみて欲しい。

 

壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁

壁床床床壁壁壁壁壁壁

床壁壁壁床床床床@壁

壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁

 

右下の(8,2)で@が敵を待ち構えている。

敵は左の大広間(図では省略している)から、通路を通って@を追いかけてくるという設定である。

各自確認して欲しいのだが、右下の@からy=1上の通路に対する視線は、壁で遮断されている。

したがって、y=1上の通路に敵が来たときに、@が敵にボルトの直接攻撃を当てるのは、

一見不可能に見える。

ではここで、騙されたと思って、壁(0,1)をターゲットしてみよう。

このときの視線の軌跡は、y=1の壁にもy=2の壁にも遮断されない。

何と、丁度通路を通って壁(0,1)に到達する軌跡となっているではないか!!

変愚のボルト魔法は、ボルトを発射した軌跡の途中にターゲットがいれば、

そのターゲットにボルトがあたる

(だからこそ、「視線は通っていないが射線は通っている」場所を定義できた)

すなわち、射線を上手く調整することで、本来ならば攻撃を当てられない<<視界Ⅰ>>外の場所に攻撃を当てることが可能なのである。

これが「間接ターゲット」による視界外攻撃である。

ここで重要なポイントとして、この射線調整の技術は、@さんは持っているが、残念ながら敵さんは所持していない

したがって、敵は敵にとっての<<視界Ⅰ>>内の位置にしか、ボルトないしボール魔法を発射できないのである。

 

この、@と敵の射線調整技術の違いは、上手く利用すれば極めて@に有利なものとなることが容易にわかるだろう。したがって、最近の変愚では、反撃召喚というLOSトリックに対する強力なカウンターが敵に用意されている。

 

 

 

・参考文献

ソース読めよオラとかいう話はなしで。

 

なんとなくLOSトリック講座

http://d.hatena.ne.jp/dis-c/20070329/1175174927

LOSトリック雑記

http://roguelike.namekuji.jp/index.html?colum_los.html