@ゲー単走部

ローグライク雑記。変愚蛮怒、DCSSなど。

DQ5 汎用キャラ使用感(RTA的な視点から)

RTAでよく使われる、いわゆる汎用キャラの使用感を、SFCとリメイク両方で書いてみる。リメイク版はPS2/DS両方あって、使用感はほとんど同じなのだが、一部に食い違いもある。その部分はPS2とDSに分けて、両方書いてみる。

 

スライムナイト>(ピエール) 

加入率1/4のチートモンスター。こいつなしでDQ5は語れない。装備が優秀、豊富な耐性、おまけで回復魔法(ベホマまで)とキアリクマホトラもち。イオラは空気。

スカラで固めて薬草を持たせれば、難所の溶岩原人*3を単騎撃破できるなどの実績を持つ(SFC版では溶岩原人戦はAI連射機放置の休憩ポイント)。

加入したときから最後まで使っていけるが、SFC版とリメイク版では若干使い方が違う。ただ、リメイクされる度に価値が下がってきているのは面白いところではある。

 

SFC版→青年期後半でもメインアタッカー。最近は息子カットが主流のため、道中回復魔法を使える点を初めとして、フバーハなしでも炎のダメージを軽く抑えられる耐性と、ラスボス戦でのメイン火力である吹雪の剣を装備できるのは大きい(Lv20前半でも、バイキルトをかければ、ルカナン*2で守備力が0になったミルドラース第二形態に、軽く250を超えるダメージを与えられる。瞑想の回復に勝てる与ダメを安定して出せるので重要)。そのため、文字通り最初から最後まで使うことになる。SFCDQ5の真の勇者はピエール

 

PS2版→SFC版と違い、ラスボスにルカニが効かないため、RTAくらいの低レベルでは吹雪の剣を装備しても高いダメージは望めない(バイキルトが弱体化してるのも痛い)。そのため、SFC版ほどの価値があるわけではないが、やはり豊富な耐性は非常に優秀。痛恨以外ではとにかく死ににくいので、アタッカーやらせるにせよ、ヒーラーやらせるにせよ、重宝する。耐性のおかげで比較的装備に融通が利くので、ラスボス戦でミラーアーマーを装備させて敵の攻撃呪文を反射させるなんて使い方もできる。

 

DS版→相変わらず強いのだが、ドラゴンの杖を使用することで、誰もが手軽に炎免疫(!)をつけられるようになったのと、フバーハの強化により、耐性強者としてのピエールの価値は若干下がっている。代わりに主人公の価値が上がっており、主人公の欄で詳述。

 

<スライム>

加入率1/2。素早い補助役。ニフラムスクルトルカナンメダパニと一通りの補助魔法を覚える

SFC版→個人逃げがなく、雑魚敵がうざいので、雑魚を消していけるニフラムを覚えるのは非常に重要(DQ5ニフラム耐性が薄い敵が多い)。ニフラムが大いに活躍するほか、ボス戦でスクルトルカナンが使える点も重要。山彦帽子を装備させるとますますニフラムが加速する。ラスボス戦でも、山彦ルカナン山彦スクルト→(キラーマシンへ)山彦ニフラム、(あくましんかんへ)山彦メダパニと、なくてはならない存在。特に息子カットが主流の今のチャートでは、スラりんがいなくてはラスボスの第一形態突破もままならないだろう(キラーマシン召喚に対処できない)。

 

PS2版→個人逃げの存在ゆえニフラムの重要性は低く、後述するエビルアップルがルカニを使えるためルカナンは不要で、スクルトも他のキャラが使えばいいので、あまり使われることはない。

DS版→個人逃げがなくなったDS版では前半使われることもあるが、使用効果が全体ニフラムへと強化された風神の盾が登場してからは用済みとなる。

 

<エビルアップル>(アプール、リメイク版のみ)

加入率1/2。こいつがいなくてはリメイクDQ5は始まらない

加入直後から高いステータスを誇り、それだけでも大活躍。

ルカニを覚える貴重なモンスターの一人であり、ボス戦でもなくてはならない存在である(道中狩りチャートを採用する場合、娘のルカナン習得が非常に遅いので、青年期後半のボス戦にも連れて行く羽目になる)。

また、極めて素早いため道中の個人逃げ要員として活躍し、おまけに毒針を装備できるのではぐれ狩りにおいても必須キャラといえる。

 

 <キラーパンサー>(ボロンゴ、ゲレゲレ?)

イベントで加入。素早い高火力アタッカー

回収がタイムロスだが、リメイク版ではそれに見合う価値がある。

 

SFC版→ボスがそこまで強くなく、ピエ、主、スラで十分なため、まず仲間にされることはない。

リメイク版→グランバニア4連戦のカギ。ボスが強いので、やられる前にやるしかないという発想。炎の爪を装備させ、ファイト一発を飲み、きあいをためてから攻撃すると、頭の悪いダメージが出る。300を超える与ダメを見るのは気持ちいい。また、リメイク版限定だが、ボロンゴを回収した上で、フローラorデボラと結婚すると、青年期後半の夜のカボチ村神秘の鎧が手に入る。鎧引換券的な価値もある。

 

<男の子>

スクルトベホマフバーハザオリクベホマラーなど、僧侶的な呪文も覚える、異色の勇者(通常のRTAではベホマラー習得まではレベルは上がらないが)。

ベホマズンを覚える勇者は他の作品にいるが、ザオリクフバーハを使える勇者なんて聞いたことがない。

専用装備(天空装備)の耐性も心強く、加入直後のレベルが低いことを除けば、総じて使い勝手はいいといえる。

SFC版→従来は男の子を育成するチャートが主流だったが、最近ではカットが主流。新チャートのあまりの完成度のため、勇者育成チャートは完全に化石チャートと化した。ボスが弱すぎるのがいけない……。エスタークまで見据えたRTAなら加入の余地は十分にある、というかいないときつい。

リメイク版→ボスが強いので必須。説明不要。一般的なはぐれ狩りチャートでは、ゲマ1までにLv23(フバーハ習得)、ラスボスまでにLv27(ザオリク習得)にするのが一つの目安になっている。一方、道中狩りチャートでは、フバーハの習得がイブール撃破後と遅く(ブオーンイブール撃破後に倒しにいくことが多い)、時短のためラスボスまでにザオリク習得までレベルを上げないことが多い。

 

<女の子>

男の子と対照的に、バイキルトルカナンマホカンタなどの補助魔法を習得する

専用装備(プリンセスローブ)の耐性が優秀で、素早いためボス戦で祝福の杖や賢者の石を持たせて回復役として使われることも多い。

光のドレス(確率で敵味方問わず呪文を反射)を装備できる点もボス戦の戦術次第で重要。

SFC版→バイキルトが強いゲームなので必須。ファイト一発で代用はできるのだが、ラスボスは波動を撃って来るため、10回以上バイキルト状態にする必要がある。ファイトですべてをまかなおうとしても、道具欄が持たないので、バイキルトを使える女の子は必須。

リメイク版→バイキルトをファイト一発で代用しにくいラスボス戦で、バイキルトの価値が低くなっている(前述したが、ルカニが効かないため、RTAの低レベルでは高いダメージを望めない)。そのため、SFC版と違い、必須キャラではないのだが、高耐性で素早いので、いれば何かと役立つのは間違いない。毒針を装備できるので、はぐれ狩り開始時から活躍するのも魅力の一つである(はぐれ狩りチャートでは、ゲマ1までにルカナン習得のLv22、ラスボスまでにマホカンタ習得のLv27にするのが一つの目安になっている)。一方、道中狩りチャートを採用する場合、ゲマ1までにルカナンを習得しない、ラスボスまでにマホカンタを習得しない、といった理由や、道中の低レベル進行によるHP不足の問題、さらには馬車なしのボス戦においてメンバーを娘で一枠消費することにより他の主要キャラに経験値が入らなくなる、といった問題から、活用が難しい(ただ、最近は娘使用型の道中狩りチャートも増えてきている。ラスボス戦で壁役が一人増えると考えれば悪くはないのだろう)。

 

<サンチョ>

通称魔神(魔人)サンチョ

加入直後から200超えのHPを誇る。

魔人の鎧を装備させることで、鉄壁の守りになり、いきなり壁になれる(魔人鎧で後攻が確定するので回復役としても使い勝手がいい)。

スクルトラリホーといった補助呪文を初期習得している点も使い勝手をよくしている。

雷神の槍や魔神の金槌を装備させてメインアタッカーにもできる。

総じてサンチョは万能である

 

SFC版→魔人サンチョを後半フル活用する通称「先サンタ・奇跡の剣カット・息子カット・魔人サンチョ」チャートが、従来の勇者育成チャートを完全に淘汰した。雑魚戦からの逃走では壁、あるいは先制バグ(*)を利用した対処などで活躍し、ボス戦でも雷神の槍の火力を生かしてアタッカーになれる。ラスボス戦では、賢者の石を持たせ、安定した後攻回復役。サンチョ大活躍である

 

リメイク版→ボスが強いので、魔神サンチョがいれば息子をカットできる、なんてことにはならない。魔神の金槌を装備できるのが強い。hitすれば会心の一撃になる魔神の金槌なら、ルカニが効かない、バイキルトを含む補助魔法が波動でしょっちゅう消されるラスボス戦でも、火力として運用できるというわけである。ちなみに魔神の金槌の命中率は1/2。

 

<主人公>

物語の主人公。RTA的には、特別強くもなく、弱くもないという感じ。

通常プレイと異なり、RTA的には無難な性能にしかならない。

回復に補助に、専用装備と、恵まれているのは確か。だが、あまりぱっとはしない。

専用装備の王者のマントが、RTA的には存在しないのが痛い。あれが簡単に取れれば後半も最強の一角といえるのだが・・・

RTAで最後まで使うならとりあえず神秘の鎧装備させとけ感)

残念ながらPTに強制参加のイベントが多い

一応、RTA的な価値としては、SFCPS2→DSとリメイクされる度に、上がってきている。代わりにピエールの価値が下がっている。

 

SFC版→後半は失速するが、残念ながら主人公強制参加のイベントが多いので、使わざるを得ない。3人PTのため、通常は主人公にあてる枠がない。普段の戦闘メンバーとしては活躍できないが、馬車内の回復タンクとしては非常に重要(特に今は息子がいないので)。ラスボス戦でも、実はこっそりヒーラーの役割がある。

PS2版→4人PTゆえ、SFC版より価値は上がった。チャートによっては、後半ピエールに武器(ドラゴンキラー)を買う金がないので、専用武器(ドラゴンの杖)がただで手に入る主人公はそれなりに存在価値がある。あと、道中狩りチャートでは、娘の活用が難しいので、代わりに主人公を使うことも多い。一応貴重なザオラル持ちでもある、道中狩りでザオラル習得のLv25まで上がるかどうかはチャート次第。

DS版→ドラゴンの杖の使用効果の変更(使用キャラの固有耐性を上書きし、炎免疫がつく)により、相対的に価値が上がっている。というのは、ドラゴンの杖の新仕様:耐性上書きのおかげで、ラスボス戦で耐性強者のピエール(ピエールがドラゴンの杖を使うと、悲しいことに彼のイオ耐性は消失し、被ダメが増えてしまう)を使う必要がPS2版より薄れている(*)。はぐれ狩りをするのであれば、ゲマ1前にフバーハを習得できるので、ピエールの炎耐性がさほど重要でない、イオ系統の攻撃は道中あまりくらわないのでピエールのイオ耐性もあまり重要でない、ということもあって、青年期後半に、完全にピエールをカットでき、その分の時短が見込めるその代用品として、主人公の価値が高くなっているのである。よかったな主人公!

 

(*) DS版のピエールカットについて

ドラゴンの杖の仕様変更でピエールの価値が下がったとは書いたものの、道中の回復タンクや、ラスボス戦でピンチになったときの壁役、あるいはミラーアーマーを装備させての呪文反射役や賢者の石役など、活躍の余地は十分にある(ただ、賢者の石役としては、中途半端な素早さのため先制後攻が安定しづらいという使いにくさはある)。

一方の主人公であるが、ドラゴンの杖を使って主人公を耐性強者にしようと考えても、灼熱に対してドラゴンの杖使用が後攻する場合もあれば、単純にPTの状況次第ではドラゴンの杖を使ってコマンド制御を不可能にしたくない場合もある。ミラーアーマー役としても、やはり自前耐性が豊富なピエールの方が優秀。

 

総じて、ピエールが(どんな形であれ)いた方が安定するのは間違いない。ただ、いなくても何とかなるので、カットが主流なのだろう、と推測している。

 

(*)先制バグ

SFCDQ5は行動順の決定プロセスにバグがある。詳しい原理はググってほしい。

このバグにより、魔人鎧で素早さ0になったキャラを先頭に、2番目に棺桶を配置すると、先頭キャラが確実に先制できるようになる。

つまり、このバグを使うことで、魔人サンチョは先攻後攻を自在に調節できる。