@ゲー単走部

ローグライク雑記。変愚蛮怒、DCSSなど。

DCSS 文化の差をひしひしと感じる(1)

タイトルの通りです。

最近、実際にDCSSをプレイするのには飽きて、海外のDCSSforumに自分の意見を書き込むゲームに熱中している(たまにthankがもらえる)のです

が、その際に、国ごとのプレイスタイルの違いのせいかもしれませんが、ひしひしと文化の差を感じています。

私だけが文化の差を感じているのではなく、海外の人も文化の差を感じているようです。

海外勢の一人が、「多くの人がCheiを弱いと感じている」と言ったので、
私が「自分がプレイしているサーバーでは、アリCheiを最も強くて簡単なビルドのひとつに挙げる人もいるし、Cheiでスキル一桁縛りを達成する人もいる。少なくとも自分の周りには、Cheiを弱いと感じる人はあまり観測されない」と言ったところ、

「文化の差を感じる」と言われてしまいました。

まあこれは、自分の周りのプレイヤーが特に偏っていて、日本の中でさえ特異な文化であるという可能性は否定しきれないので、
日本vs海外という文化の対立の構図の例に挙げるのは、もしかしたら不適切かもしれません。

というのは、ローグライクの原則を考えれば、Cheiが弱く見えるのは当然だからです。
実際は、そのローグライクの鉄則を無視した信仰が、訳がわからないくらいに強いというところが、DCSSが普通のローグライクと一線を画するところなのだと思います(書いていて思ったけど、普通のローグライクって何だろう)。

以下では、アリやChei以外に、どういう点で文化の差を感じたのか、具体例を書いていきます。

(1) 盾 vs 両手武器
私が観測する範囲では、一般に、日本人は盾を好み、海外勢は両手武器を好む傾向にあるようです。
(無印Crawlでは盾はかなり弱いようなのですが、DCSSでは大幅に強化されています)

ある日本人プレイヤーは「片手の火力でも15ルーンは取れるし、DCSSがもし30ルーンゲーになったとしても盾を使いたい」と言っていました。
もちろんこれはかなり極端な考えです。ここまで特異な考えをする人も珍しいので、参考にはならないかもしれません。
ですが、@の溜まり場での議論を見ていても、やはり盾を好むプレイヤーは非常に多いと感じています。
普段両手武器とか使わないから、アリをプレイしてグレソを振り回したときは、両手武器ってこんな強かったんだって思った」という書き込みが非常に印象に残っています。

それに対し、海外勢は盾を好まないプレイヤーが多いように感じています(少なくともforumでは)。
ある人は盾をgarbageといい、(私を含む少数派の)盾強い派との論争に発展したこともあります。

日本人は防御的、海外勢は攻撃的なスタイルを好む、と言ってしまえば、それだけの話なのかもしれませんが、
具体的にどう意見が対立しているのか、見てみましょう。(以下は意訳です。もしかしたら実際の議論とは違うかもしれません)

盾強い派
「最上級の両手武器より、最上級の片手武器+盾の方が、要求expは低い。
たとえば、ダブルソード+盾を安定させるのに必要なexpは、8200+7050=15250。
悪魔刃+盾を安定させるのに必要なexpは、6000+7050=13050。
それに対し、トリソを安定させるのに必要なexpは、22050であり、要求expの違いは歴然としている。

それに、武器を決定する上で、単に敵への与ダメだけを考えるのは本質を外している。
『敵との戦闘が終わったとき、@がいくらHPを残しているか』、真に重要なのはこれである。
いくら火力が高く、戦闘を素早く終わらせることができたとしても、戦闘終了後の@のHPが危ういのでは意味がない。
たとえ火力が低くても、戦闘終了後に@が数多くHPを残すことができるならば、そちらの方が"相対火力"が高いと言うべきだろう。
(もちろん、理想は、火力が高く、その上で戦闘終了後のHP残量も高い状態)

そして、その"相対火力"とは、敵への与ダメを@の被ダメで割って算出されるべき値である。
片手+盾の相対火力は、両手には及ばない面はあるものの、匹敵しているのは確かだ。
前述の要求expの差も含めて考えれば、片手+盾に軍配が上がると見るべきである」

盾弱い派
「その議論にはいくつも盲点がある。
1. まず、最上級の片手武器を手に入れることが必要である。ダブルソードがレアなのは言うまでもない。
demon武器は終盤まで行けば確実に手に入るが、それが自分の意図した種類の武器である保障はない(Gehennaでスカムするなら別)。

2. 最上級の両手武器がレアな点は認めよう。だが、どうして最上級の両手武器が必要になるんだ?
グレソでいいじゃないか?
悪魔刃+盾の要求expがトリソの要求expより低い点は認める。だが、グレソだけのexpなら10800で済む。
つまり、一般的に、両手武器を使う方が必要expは少なくなる。

3. 相対火力による火力比較自体、無条件に信用していいかどうかわからない。
例えばの話だが、確かに1ターンの(与ダメ、被ダメ)=(40、30)は、(与ダメ、被ダメ)=(20,10)に相対火力で劣っている。
HP50の敵を倒すとして、前者なら30ダメージくらってしまうが、後者なら20ダメージで済む。
だが、HP30の敵ならどうだ? 前者ならワンショットキルだ、つまり被ダメは0だ。それに対し、後者では10ダメージはくらってしまう。
こういう例もあるので、単純に"相対火力"とやらを比較するのは意味がない。
そして、私は、「攻撃こそ最大の防御」、つまり、素早く敵を処理することが一番被ダメを抑えることに繋がる、と信じている。

4. ACだけでは不安だからSHによる回避を取りたいということなのだろうが、回避が欲しいだけならEVというステータスが既にある。
「重鎧が回避を阻害する」のは確かに事実だが、「重鎧で回避が全く機能しなくなる」と考えているならばそれは迷信である(特に最近の変更によって)。
 そして、EVによる回避とSHによる回避、どちらが強いかと言われれば、前者だろう。
 SHは両手武器を阻害する上、そもそも対複数戦ではブロック率が徐々に下がっていってしまう。
 それに、盾ではブロックできなくても、EVで回避できる魔法攻撃は非常に多い(逆はOoDしかない)。

5. そして、ゲームの後半(15ルーン)では、盾は非常に弱い。tormentやhellfire,stormといった、盾ではブロックできない攻撃が最も危険だからである。盾を捨て、両手武器で素早く危険な魔法を使う敵を殺すことが、結局身の安全に繋がる」

盾強い派、弱い派の意見をまとめると、大体こんなところに帰着するのではないかと思っています。
単純に防御的スタイルvs攻撃的スタイルと見るだけでもいいのでしょうが、どちらの意見にも合理的な根拠があるということだけは言っておきたかった。
盾弱い派には盾強い派の意見も知ってもらいたいし、逆に盾強い派には盾弱い派の意見も知ってもらいたかったので、長文にはなるものの、載せておきました。

ちなみに、自分は盾強い派の人間です。上で書いた盾弱い派の意見に対しても、色々言いたいことはあります。
ですが、流石にそれをここで書くと長くなるので、今日は書きません。別の機会に書くことにします。

(2)Necromutationは強いのでLv9に引き上げるべきだ派 vs Necromutationは弱いのでLv7に引き下げるべきだ派

Necromutationというスペル、実はかなり評価が分かれているスペルです。

どうやら日本人はtormentを(必要以上に)怖がっているプレイヤーが多いのでしょうか。
私の知る限り、日本人の意見は、「強すぎる」「強すぎて糞」「強すぎて15ルーンが作業化する」「一強すぎてつまらない」
「アンデッド種族の立場がない」「善神が不遇すぎる」「Lv8は甘い、Lv9くらいが妥当」というものが多かったです。

日本鯖のプレイヤーに、「海外ではNecromutationはLv7に引き下げられるべきと考えている人もそこそこいる」という事実を紹介したところ、「意味わからん」と言われました。

それに対し、海外では、「Necromutationは一部のグループに過大評価されている」という見解が一般的です。
Necromutationは後半必須のように思われているが、実際のところ必須ではない。なのに評価が高いのは、過大評価にしか見えない」というわけですね。

そのうえで、Lv8を適正レベルとするか、Lv8には見合わないからLv7にすべきか、という点では意見が分かれています。
Lv9にすべきなんていう人はいません

ちなみに、「Lv8には見合わないからLv7にすべき」という意見に対して、Necromutation強い派(ただし、Lv9に引き上げろとは言ってない)は、
Necromutationは一部のグループに過小評価されている」と評しています。
あるいは、「Lv引き下げろって言ってる奴は、恥ずかしがらずに、もっと簡単なゲームを望む、と大声で言ったらどうだ?」なんて皮肉が出てくることもあります。

はっきり言って、Necromutationについては、過大評価する意見と過小評価する意見が対立するばかりで、冷静な意見はあまり見たことがないというのは正直なところです。

なぜNecromutationについて、こうも意見が分かれるのでしょうか。
説明すると長くなるので、次回の記事に回したいと思います。(まあ、防御重視の日本vs攻撃重視の海外と単純に考えるだけでもいいと思います)


<次回>
・Necromutationの評価
・苦痛無効冠の評価
・竜形態vs石像形態の対立