@ゲー単走部

ローグライク雑記。変愚蛮怒、DCSSなど。

変愚 曲がり角地形のLOSトリックの原理

 

溜まり場のプレイ日記スレでLOSトリックが話題に挙がっていた。

自分はメイジ職はスペマスしか*勝利*記録がなく、

また遠距離職の典型でもあるレンジャーでも、

射撃メインでなくストブリメインの殴りレンジャー(最後だけ射撃シフト)で*勝利*したので、LOSトリックとはあまり縁がない変愚人生を送ってきたわけである。

これではいけないと思い、少しLOSトリックの勉強でもしようかと考え、特定の例についてまとめてみた。

例に出すのは、LOSトリックが使える典型的な曲がり角地形。

というかこれ以外わからないともいう。

 

LOSトリックとは、簡単に視界外攻撃のこと、といってよいはずだが、

変愚の視界は若干特殊仕様なのかもしれない、と最近思い始めた。

最近自分はDCSSをよくプレイしているのだが、DCSSでは@も敵も視界が共有されている。

したがって、基本的に、@から敵に対して視線が通るのであれば、敵から@に対する視線も通っている。

ところが、後述するように、変愚では@と敵の射線が同一ではない

「@が視界外にいる敵を攻撃する(その敵は@に対する射線を通していない)」状況だけでなく、

「@が視界内の敵を攻撃する(その敵は@に対する射線を通していない)」という状況も存在する。

この一見複雑で混乱しかねない事実により、初見でLOSトリックを理解するのは難しいように思える。

 

(1) そもそも視界、視線とは? そして射線との違いは?

先ほどから視界だの視線だのという言葉を使ってきているが、これの意味するところは何か。

これは、「魔法や矢の軌跡を表示する」オプションをONにすることで意味がわかる。

*キーを押してある場所Xをターゲットしようとしてみて、その行為が「直接」可能であるならば、

「@から場所Xに対する視線が通っている」、とこの記事ではよぶことにし、

@から直接ターゲットできる全ての位置を@の<<視界Ⅰ>>とこの記事ではよぶことにする。

 

ところで、この<<視界Ⅰ>>というのは、実際の@の視界、いわゆるプレイヤーの画面に映る視界とは厳密には同一ではない。たとえば、画面には映っているが、直接ターゲットできない位置というものが存在する。逆に、直接ターゲットできるが、画面には映っていない位置というものも存在する。ややこしいが、後者の視界の違いが発生する原因の一つとしては、光源の問題が存在する。真っ暗な場所は画面には当然映らないが、だからといってすべての真っ暗な場所が直接ターゲットできないかというと、そんなことはない。他にも原因はあるかもしれないが、ややこしいのでその話は一旦置いておこう。

 

この2つの視界を区別して話したいので、画面上の視界のことを、以後<<視界Ⅱ>>とよぶことにする。

 

この2つの視界が異なる例を以下に挙げる。いわゆる大桂馬の位置関係である。

 

壁壁壁壁壁

@床床床壁

壁壁壁D壁

   壁床壁

 

理由は後述するが、この大桂馬の位置関係では、@は位置Dを直接ターゲットできない。

が、半径3マスの光源を装備していれば、位置Dは画面には映っている。

すなわち、位置Dは@の<<視界Ⅰ>>ではないが、<<視界Ⅱ>>(もちろん光源半径3という条件はつく)であるということができる。

 

話を戻そう。

@が場所Xを直接ターゲットすることが不可能であっても、

別の場所Yを直接ターゲットする過程において、その軌跡がXを通っていたならば、

「@から場所Xに対する射線が通っている」と定義される

(もちろん、Xが直接ターゲット可能な場所でも、Xに対する射線は通っている)。

要するに、@にとっては、視線が通る範囲である<<視界Ⅰ>>よりも、射線が通る範囲の方が広い

先の大桂馬の位置関係の例で説明すると、位置Dは@の<<視界Ⅰ>>ではないが、<<視界Ⅱ>>であり、かつ@の射線が通る範囲である。

 

 

(2) 縦2マスの世界のLOS

視線の確認をするために至極理想化された縦2マスの世界で説明してみる。

座標表示は、左上を(0,0)とし、右方向および下方向をそれぞれの座標軸の正の向きとして記述する。

まずこれから。

 

壁壁壁壁壁

@床床床壁

床床床D壁

壁壁壁壁壁

 

左上(0,1)に@がいて、右下(3,2)に敵Dがいると思って欲しい。

この場合障害物が何もないので、疑いの余地なくお互い視線が通っている。

@からDに視線を通したとき、その軌跡は (0,1)→(1,1)→(2,2)→(3,2)

敵からXに視線を通したとき、その軌跡は (3,2)→(2,2)→(1,1)→(0,1)  である。

わかりやすくて特に問題はないはずだ。わからなければ手元のゲームで確認してみてほしい。

 

では次、これはどうだろう。横の通路を1マス増やしてみた。

 

壁壁壁壁壁壁

@床床床床壁

床床床床D壁

壁壁壁壁壁壁

 

先ほどと同様に、左上(0,1)に@がいて、右下(4,2)に敵Dがいる。

障害物が何もなくお互い視線が通っているのは先ほどと同じなのだが、

実はその軌跡が違っている(!)のである。

@からXに視線を通したとき、その軌跡は (0,1)→(1,1)→(2,1)→(3,2)→(4,2) であるが、

Xから@に視線を通したとき、その軌跡は (4,2)→(3,2)→(2,2)→(1,1)→(0,1)  であり、

中央のx=2のところで差異が生じている。

視線の通し方、すなわち「直接」のターゲット法は一意であるため、

この中央のところに障害物を置いてみる(↓)と、一方の視線しか通らないというLOSトリックが生じるのである。

 

壁壁壁壁壁壁

@床床床床壁

床床壁床D壁

壁壁壁壁壁壁

 

上図では、左上の@から右下のDへの視線は通っているのだが、Dから@への視線は壁という障害物に遮断されている。

これが先に述べた、「@は<<視界Ⅰ>>内の敵をターゲットできるのだが、敵から@の位置は直接ターゲットできない」という謎の状況である。

ちなみに、この地形でライトエリアがなされていないとして、@が半径3マスの光源を装備しているとする。この場合、位置Dまで光が届かないので、位置Dの敵がぴかぴか光っていない限りは、位置Dは@の<<視界Ⅱ>>ではない。ただし、位置Dの敵がテレパシーで感知できているような状況では、位置Dにいる敵は@の視界内といっても、差し支えはなかろう。際限なく視界の定義を広げたくはないので、知覚範囲とでもよんだ方がいいだろうが。

 

この謎の状況のうち、もうちょっとわかりやすいのが↓。曲がり角でよく遭遇する場面である。

 

壁壁壁壁壁

床@床床壁

壁壁壁D壁

   壁床壁

 

上図において、点(1,1)に@が、点(3,2)に敵がいたとすると(いわゆる桂馬の位置関係)、

敵から@の位置は直接ターゲットできないのに、@から敵の位置は直接ターゲットできるのである。

@は視界外を攻撃しているわけではなく、あくまで<<視界Ⅰ>>内の敵を攻撃しているに過ぎないので、(半径3マスの光源を装備していれば、<<視界Ⅱ>>でもある)

これを視界外攻撃と呼ぶのは適切ではない。

わかりにくいのを承知で、LOSトリックとカタカナ英語混じりで呼ぶ以外にないだろう。

ちなみに、この視線の一致・不一致は、@と敵の座標差の偶奇で決まっている。

視線の確認をするときには是非頭に入れておいて欲しい。

特に次の(3)の理解に不可欠。

 

(3) 間接ターゲットによる視界外攻撃

先ほどは「@から敵への<<視界Ⅰ>>内攻撃、ただしLOSトリック」という謎の現象を説明したが、

今度は文字通りの視界外攻撃を説明する。

自明な視界外攻撃は、ボール魔法の爆風を利用すること

(DCSSでもFireballやFulminant Prismで可能、ただしVehumet信仰による射程ブーストは必要かもしれない)

だが、ボルト魔法による視界外攻撃を解説する。

こちらはかなり非自明で、かなり奇妙で、かなり謎な現象である。

そして、恐らくは、スペマス以外のメイジ職の基本的なLOS戦術に該当するのだろうと思われる(未プレイなので推量)。

是非同じ地形を自分でゲーム上で作って確認してみて欲しい。

 

壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁

壁床床床壁壁壁壁壁壁

床壁壁壁床床床床@壁

壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁

 

右下の(8,2)で@が敵を待ち構えている。

敵は左の大広間(図では省略している)から、通路を通って@を追いかけてくるという設定である。

各自確認して欲しいのだが、右下の@からy=1上の通路に対する視線は、壁で遮断されている。

したがって、y=1上の通路に敵が来たときに、@が敵にボルトの直接攻撃を当てるのは、

一見不可能に見える。

ではここで、騙されたと思って、壁(0,1)をターゲットしてみよう。

このときの視線の軌跡は、y=1の壁にもy=2の壁にも遮断されない。

何と、丁度通路を通って壁(0,1)に到達する軌跡となっているではないか!!

変愚のボルト魔法は、ボルトを発射した軌跡の途中にターゲットがいれば、

そのターゲットにボルトがあたる

(だからこそ、「視線は通っていないが射線は通っている」場所を定義できた)

すなわち、射線を上手く調整することで、本来ならば攻撃を当てられない<<視界Ⅰ>>外の場所に攻撃を当てることが可能なのである。

これが「間接ターゲット」による視界外攻撃である。

ここで重要なポイントとして、この射線調整の技術は、@さんは持っているが、残念ながら敵さんは所持していない

したがって、敵は敵にとっての<<視界Ⅰ>>内の位置にしか、ボルトないしボール魔法を発射できないのである。

 

この、@と敵の射線調整技術の違いは、上手く利用すれば極めて@に有利なものとなることが容易にわかるだろう。したがって、最近の変愚では、反撃召喚というLOSトリックに対する強力なカウンターが敵に用意されている。

 

 

 

・参考文献

ソース読めよオラとかいう話はなしで。

 

なんとなくLOSトリック講座

http://d.hatena.ne.jp/dis-c/20070329/1175174927

LOSトリック雑記

http://roguelike.namekuji.jp/index.html?colum_los.html